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自主練

陸上部の練習に参加し始めて、一週間。 相馬にジムの招待券を貰ったけど、なんとなく行く切っ掛けがつかめないまま、夕方自宅周辺を走っていた。 自宅近くに、ランニングコースの有る公園があるのでそこをこの一週間走っていた。  やっぱり、ジムってなるとジャージとかも気にしないといけない気がするし・・・。今走ってる様な恰好じゃ、絶対いけないよなぁ・・・。白Tシャツと短パン。まぁ、走るのに格好なんか関係ないし。そんなこんなで、今日も夕食の準備をしてから走りに行く事にしたのだが・・・、公園に着いたら黄瀬が居た。サッカーの練習をしていたらしく、ボールを持っていた。 「あれ?リョウ!!」 「翼じゃん!? 何してるの?」 「あー、自主練かな?」 翼の恰好を見て、黄瀬が溜息をついた。 「その恰好で、いつも走ってたの?」 「え?? なんか変??」 「・・あー・・・うん・・・、大丈夫だと思う・・・。」 そう言いつつ、目線をそらされる。上着来ておけば良かったかなぁ? 今日は少し気温が高かったから、背中の方はシャツが汗で透けていた。 「ところで、まだ走るの?」 「いつも、ここのコース走ってそのまま自宅かな・・・」 「オレも一緒に走っていいかな?」 断る理由もないので、一緒に公園のランニングコースを走る事になった。 それから、一週間。毎日夕方は公園で黄瀬と走る事になった。 「そっかー、夕方はリョウと走ってるんだ!」 「まぁ、公園のコース一周位だけどね。」 最初の頃は、次の日に筋肉痛が出たりしたしたが、今は走るのが気持ちいいとも思える様になってきていた。今日は天気も良いし、走っていて気持ちが良かった。 「けど、相馬にジムの招待券貰ったんでしょ?」 「そーなんだけどさ、なんか敷居が高くてさー。」 朝比奈は、陸上部のユニホームにスパッツを履いて走っていたが、自分は学校指定ジャージ。他に運動する恰好といえば、Tシャツと短パン位。 やっぱり、セレブの行く様なジムは敷居が高い。あと、なんだか勿体なくて使えないんだよね。折角相馬に貰ったチケットだし。 「じゃーさ、明日一緒に行く?」 「え?? けど、オレこんな格好しか持ってないけど良いか?」 「あはは。大丈夫だよ!なんなら、レンタルウェアもあるし!!」 レンタルウェアがあると聞いて、ジムに行く事になった。 そういえば、体育祭の練習期間中 朝比奈は毎回部活に出てる気がする。 前は、毎週火曜の練習のみだったはずなのに・・・ もしかして、ペア練習してるからか??隣を走る朝比奈の顔を見ると少し疲れてるようにも見える。やっぱ、付き合わせっちゃってるよなぁ・・・。 「ん? どうかした? ペースきつい??」 「・・・いや、もう少し上げても大丈夫!!!」 「そっか、じゃ!少しペースアップしてみようか!」 そう言って先を走る朝比奈の背中に着いて行く。この日のタイムは5分縮めて完走出来た。

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