70 / 208

腐女子 対 天然腐男子

困った時の咲紀様! こもままじゃもう、オレの心臓がモタナイ!!! 妹に聞くのもなんだけど・・・。前と今を合わせても絶対的恋愛経験値が足りないオレと、女子中学生なら女子中学生の方が経験値は上なはず!!! って、事で・・・。 オレは恥ずかしいけど、妹にメールをする事にした。 そう決めたのに・・・かれこれ一時間は、画面と向き合っている。 『男同士で手って繋ぐ?』 えーーーーーーーい、迷っても仕方ない。 送信!! pppp は、早!!! オレの一時間!!咲紀から、速攻のレスポンスがなんだか、迷っていた自分が恥ずかしい・・・。 咲紀からの返信は・・・って! 『繋ぐ。』 つ、繋ぐの!??!ええ?? そういうものなのか?そ、それなら・・・ 『友達でも??』 送信!!! ♪♪♪ わっ!! 咲紀からかかってきた!! 思わず、通話ボタンを押してしまった。 「・・・おにぃ?? どうかした?」 (な、何があったの!?って、十中八九・・・彼の所為だろうけど・・・。 駄目よ!喜んじゃ・・。) 「あ、あのさ・・・、そのさ・・・。」 言い淀む、翼にどっちが年上なのか解らない位、はっきりと咲紀は伝えた。 「さっきのメール・・・友達同士なんだから、別に手ぐらい繋いでも良いんじゃないの?恋人同士じゃないと繋いじゃダメって法律は無いよ?」 (まぁ、普通は高校生にもなって手を繋ぐなんて機会無いだろうけど・・・。 その時は私は、陰から見守りたい・・・!) 「そ、そっか・・・そうだよな。そしたら、ほらその・・・ご飯を食べさせるのとか・・・さ・・・。」 少し、ほっとしたのか・・・、昼食の時の話も翼はしてきた。 「なにそれ・・・? もしかして、あーんってやつ??」 (何それ!!パラダイスかよ! 見たかった!!そこに居たかった!!) 「そ、そんな感じの・・・。」 「あはは!! おにぃ、そんなの別に友達でしょ?? 気にしすぎだよ!!」 (うん! だから、今度は私の前でもやって!!) 「そ、そっか・・・。オレが気にしすぎてるのか・・・。なんか、咲紀に話したら、すっきりしたや!! 単に、あいつが距離近いだけなのかもな! じゃあ、気にしないで良いのか!」 「そうそう! 気にしないで、仲良くすれば良いんだと思うよ!!」 咲紀との通話を終え、翼はすっきりとしていた。 オレが、男同士の恋愛を意識しすぎてたかも!!! そしたら、今日の相馬の行動も相馬には普通なのかも知れないな! 相馬がイケメン過ぎるから、ドキドキするんだろうし・・・。 部長とか、田貫先輩に同じ事されても・・・、うん。考えなかった事にしよう。あの二人には申し訳ないが、オレの好みでは無い。それだけだな・・・。 ・・・・・・・・・・・・ ピッ 通話を終了させてから、ふと気が付いた。 「・・・あれ? この流れだと・・・おにぃ。あの人もただの友達感覚でやってるって思ったりして・・・????」 自分のアドバイスで、翼がそう考えてしまう可能性に気が付いた時には、もう通話は終了させていた。 ・・・・・。まぁ、ドンマイ!! 頑張れ! おにぃが言ってたあの人の顔を思い出し思わず、エールを送った咲紀だった。

ともだちにシェアしよう!