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腐女子 対 天然腐男子
困った時の咲紀様!
こもままじゃもう、オレの心臓がモタナイ!!!
妹に聞くのもなんだけど・・・。前と今を合わせても絶対的恋愛経験値が足りないオレと、女子中学生なら女子中学生の方が経験値は上なはず!!!
って、事で・・・。
オレは恥ずかしいけど、妹にメールをする事にした。
そう決めたのに・・・かれこれ一時間は、画面と向き合っている。
『男同士で手って繋ぐ?』
えーーーーーーーい、迷っても仕方ない。
送信!!
pppp
は、早!!! オレの一時間!!咲紀から、速攻のレスポンスがなんだか、迷っていた自分が恥ずかしい・・・。
咲紀からの返信は・・・って!
『繋ぐ。』
つ、繋ぐの!??!ええ?? そういうものなのか?そ、それなら・・・
『友達でも??』
送信!!!
♪♪♪
わっ!! 咲紀からかかってきた!!
思わず、通話ボタンを押してしまった。
「・・・おにぃ?? どうかした?」
(な、何があったの!?って、十中八九・・・彼の所為だろうけど・・・。
駄目よ!喜んじゃ・・。)
「あ、あのさ・・・、そのさ・・・。」
言い淀む、翼にどっちが年上なのか解らない位、はっきりと咲紀は伝えた。
「さっきのメール・・・友達同士なんだから、別に手ぐらい繋いでも良いんじゃないの?恋人同士じゃないと繋いじゃダメって法律は無いよ?」
(まぁ、普通は高校生にもなって手を繋ぐなんて機会無いだろうけど・・・。 その時は私は、陰から見守りたい・・・!)
「そ、そっか・・・そうだよな。そしたら、ほらその・・・ご飯を食べさせるのとか・・・さ・・・。」
少し、ほっとしたのか・・・、昼食の時の話も翼はしてきた。
「なにそれ・・・? もしかして、あーんってやつ??」
(何それ!!パラダイスかよ! 見たかった!!そこに居たかった!!)
「そ、そんな感じの・・・。」
「あはは!! おにぃ、そんなの別に友達でしょ?? 気にしすぎだよ!!」
(うん! だから、今度は私の前でもやって!!)
「そ、そっか・・・。オレが気にしすぎてるのか・・・。なんか、咲紀に話したら、すっきりしたや!! 単に、あいつが距離近いだけなのかもな! じゃあ、気にしないで良いのか!」
「そうそう! 気にしないで、仲良くすれば良いんだと思うよ!!」
咲紀との通話を終え、翼はすっきりとしていた。
オレが、男同士の恋愛を意識しすぎてたかも!!!
そしたら、今日の相馬の行動も相馬には普通なのかも知れないな!
相馬がイケメン過ぎるから、ドキドキするんだろうし・・・。
部長とか、田貫先輩に同じ事されても・・・、うん。考えなかった事にしよう。あの二人には申し訳ないが、オレの好みでは無い。それだけだな・・・。
・・・・・・・・・・・・
ピッ
通話を終了させてから、ふと気が付いた。
「・・・あれ? この流れだと・・・おにぃ。あの人もただの友達感覚でやってるって思ったりして・・・????」
自分のアドバイスで、翼がそう考えてしまう可能性に気が付いた時には、もう通話は終了させていた。
・・・・・。まぁ、ドンマイ!! 頑張れ!
おにぃが言ってたあの人の顔を思い出し思わず、エールを送った咲紀だった。
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