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ズッ友だよ!

その日の夜、オレは黄瀬との話を思い出し。相馬にメールをしていた。 『急で悪い・・・。明日、朝勉強見て貰えないか?』 送信! 「相馬・・・、許してくれるかな? リョウの話だと、結構オレの態度悪かったポイしなぁ・・・。」 朝日奈と相馬の関係に勝手に距離を置いて、周りに心配かけさせるぐらいならいつも通りにした方が良いって黄瀬にも言われたし・・・ けど、今日の朝の勉強会は断っちゃったんだよなぁ・・・。 深く考えないで行動した結果、周りに迷惑を掛けてしまったらしいし・・・。もしかしたら、相馬もあきれてしまってるかも・・・ 気持ちが沈みそうになった時、携帯にメールが届いた。 PPP 『構わない。いつもの時間に生徒会で』 相馬からの返信を見て、台所に向かった。 甘いのかぁ・・・。何が作れるかな??冷蔵庫のなかを見ると、咲紀が買って置いて行ったチョコがあった・・・。 「・・・これ使うか。」 季節的には、冬のイメージだけど・・・。 まぁ、簡単に出来るもので今回は仕方ないかな。あとは、ストックしてあるやつで・・・。 オーブンを温め、材料を混ぜていく 「よし! 久々に作ったにしては、上出来だな!!。」 目の前に完成された、チョコブラウニー。 推しへ贈る為に毎年毎年、ある時期になると作らされては、おねぇが消費するという流れでこのお菓子だけは、レシピを見なくても完璧に作れる。今回は、ナッツやアーモンド、クルミも入れたのと・・・ちょっとビターな感じに仕上げたものの二種類。 「なんか、季節じゃないけど・・・まぁ、今度はリクエストでも聞いて作ればいいか。 」 粗熱を取ったあとは、そのまま食べやすいサイズに包丁で切って、持っていきやすいようにタッパに詰めた。 「お、おはよ。」 「・・・早いな。待たせたか・・・?」 下駄箱の所で、相馬の事を待っていた翼にいつもの様に、相馬は手を伸ばしかけて、止めた。 それに、気が付いた翼は自分から相馬の手を掴みに行った。 「だ、誰も見てない・・・から。」 掴んだ手が握られる。 !! や、やっぱ慣れない!! 教室まで心臓持つか??!??! って・・・あれ? 教室にいつもなら荷物を置いて生徒会室へ行くのだが、その日はそのまま生徒会室へ相馬は向かった。 「? 相馬、教室にカバン置いて行かないのか?」 「ああ、別にこのまま向かっても構わないだろ?」 「・・・まぁ。」・・・ってか、こっちからだと人気があまりないんだよな・・・。 相馬との暗黙のルールがあった。 それは、他の生徒の声や気配がしたら、手を離す事。 ・・・。 生徒会につながる通路で一番生徒が通らないこのルート。 「・・・相馬。やっぱ怒ってる?」 繋がれてる手がいつもより強く握られてる気がする・・・。 「・・・なんで?」 「・・・いつもより、手・・・強いから?」 翼がそういうと、相馬の足が急に止まった。 「そ、相馬?」 ギュッツ 繋がれていた手を急に引かれ、バランスを崩した所を抱き留められてしまった。 「・・・結構傷ついたんだけど・・・」 「え・・・。」 「俺は何か翼を怒らせたか?」 「え? いや・・・なん・・で?」 「俺とか話したくないのかと、思って・・・」 「え、いや・・・そんな事は無いって!!」 抱きしめられているこの状況に、相馬が言っている内容に頭が付いていけない。 相馬を怒らせるより・・・傷つけていた!?  自分勝手な考えで、自分の最推しの相馬を・・・!!!!!!なんて事だ!! 「そ、相馬。ごめん・・・。」 抱き留められていた胸元から、顔を上げると相馬と目が合った ひぃ!イケメン!! って、オレ!そうじゃなくて!!今日はちゃんと言わないと!! 「・・・翼・・・。」 「・・・相馬・・・。」 抱き留めてた、相馬の手が翼の頬に添えられ、輪郭をなぞる様に滑っていった その手が、相馬の目的地へ届く一歩手前で、翼に握られてしまった。 「・・・翼?」 「相馬、オレ・・・。 ごめんな。相馬の気持ちも考えないで・・・、勝手にまた距離置こうとして。」 「え・・あぁ・・。」 そのまま、翼は相馬の手を握り締めて握手するような形に握りなおした。その手を、両手で握ったまま翼は話を続けた 「ホント、オレ自分勝手な考えで行動してた!! 本当にごめん。」 「・・・翼・・・」 「その・・・相馬・・・オレと・・・」 相馬の顔を見つめる 握っていた相馬の手が一瞬力が入った気がした その手を、翼も握り返し 言葉をつづけた・・・ ちゃんと言わないと。 これからも、側に居たいなら・・・恥ずかしがってるだけじゃ駄目だ。 勝手に相手の気持ち決めつけて、傷つけるなら・・・ちゃんと伝えないと・・・ 相馬の事を誰が好きになろうが、相馬自身がそれを受け入れるかどうか オレが勝手に、決めていい事じゃない 決めるのは相馬 だから、ちゃんと言葉で伝えないと・・・ じゃないと、伝わらない。 「あの・・・オレと・・・・こ、これからも・・・友達でいてください!!!」 顔を真っ赤にして、翼は相馬の顔を見た。 その言葉に、上手く相馬は反応が出来なかった。 「・・・・・・・え?」 「・・・え・・・あ・・・やっぱ・・・虫が良すぎるか・・・」 相馬の反応を、否定と感じてしまった翼の顔が曇る。 その顔を見て、慌てて相馬は否定をした 「え、ああ!! これからも友達だ!!」 「ホントか!! 良かった!!!」 掴んでた両手を嬉しそうに上下に振られる。 「オレ、絶対!!!!  相馬の邪魔はしないから!!!」 「え? あ・・・ありがとう????」 この流れについていけてない相馬の手を握ったまま、翼は歩き出した。 「つ、翼・・!」 思わず、その手を引いてしまった相馬に、振り返った翼のみせた笑顔に相馬は言葉を失った 「見られる前に、早く行こ?」 「あ、ああ・・・。」 そのまま二人は生徒会室まで、手を離す事は無かった。

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