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莉緒とリオ(1) (恭一 視点)
哀れな、リオ。
未だに、青桐の男に囚われて。
あの男はもう自分の運命を受け入れている。そんな男に、リオが敵う訳もないのに・・・。
あの頃から変わってない。馬鹿で哀れな莉緒。
そんな莉緒と、私達兄弟の出逢いの切っ掛けも青桐家だった。
元々、私達の家は武道、武術を生業にしている家だった。そして、八月朔日家と同じように私の家も末端とは言え分家の一つであり・・・
あの青桐相馬に八月朔日莉緒の護衛を依頼されたのだった。
正しくは直接、依頼された訳では無いのだが・・・
莉緒が、青桐相馬の許嫁として振舞い始めた事で青桐家の名に傷がつくと困ると言う事で、監視役として歳の近い自分達に役目が回ってきたのだ。そして、まだ幼い莉緒を誘拐する者もいたりと・・・。
そんな事があっても、その頃の莉緒は、相馬と本気で結ばれる事が出来ると信じている所があった。
また、そんな莉緒を相馬は面倒と思う節もありつつも、十分に利用してもいた。
それが、あの事件が起きてしまったせいで莉緒は莉緒で有る事を、もう受け入れる事が出来なくなっていた。
それが、リオの誕生だった。
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