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目覚め

気が付いたら、病院のベットの上だった。 起き上がろうとしても、体が重くて起き上がれなかった。腕には、点滴の針が刺さっていた。 最後に覚えてるのは、部屋で恭一の出したデザートを食べて・・・。 そこから、記憶が無い? 思い出そうとすると、頭が痛い・・・。 首を横にするのも、つらい・・・。なんで?? ここはどこ?? なんで、誰も居ないの??  「・・・きょういち・・・恭一!! 恭一!!どこ!!? 恭一!」 バン!! 「り、リオ様?!! お目覚めになられましたか!!」 手に、持っていた花瓶をサイドボードに置き、ナースコールを押す。 「リオ様良かった。」 頬を撫でられ、流れていた涙を拭われて、自分が涙を流している事に気がついいた。 「ぼ、僕・・・どうしてここに?」 「リオ様のお食べになった物に毒が入ってた様で・・・リオ様はそのまま倒れてしまったんです。」 「!! だ、誰が? 」 「それが、そのお召し上がりになった物が実は相馬様へ頂いた物だった様で・・・。」 「!! って事は、そうま君は!??!! そうま君は無事なの!?」 勢いに任せて起き上がろうとしたリオ体をゆっくりと抱き起こす。 「ええ、リオ様が相馬様の代わりに倒れたので・・・」 「・・・そっか、良かった。そうま君が無事なら・・・。」 「ええ、その事も相馬様は大変うれしく思われたようで・・・こちらのお花は全て相馬様より、莉緒様への贈り物です。」 病室の中に飾られていた、ピンクの花。色々な種類の花。だけど全部色は、莉緒の髪の色と同じピンク色。  そう、今 この病室に居るのは、リオでなく莉緒。 黒髪のウィッグも、メイクも全て外されていた。 その僕と同じ、ピンクの花たち・・・。 「恭一・・・、全部片して。 ・・・ぼ、僕はリオだ・・・。莉緒じゃない・・・。」 「・・・よろしいのですか? 相馬様からのお見舞いですよ?」 「・・・構わない。 あと、着替えも持ってきて。」 「・・・畏まりました。」 恭一は、莉緒の背中に枕をいれ、上体を起こしたまま持ってきた花瓶を片付けに病室を出て行った。 病室の外で、恭二が待っていた。 「恭一、リオは?! 気が付いたのか!!」 「ああ、まだ気が混乱してるようだから、リオの話を否定しないで聞いてあげてくれ。」 そう言いながら、恭一は花瓶の中の花を捨てていた。その表情は、恐ろしい程冷たかった。 その表情に背中が一瞬冷えたが、すぐにいつもの恭一に戻っていた。 その日、莉緒が目覚めた連絡が相馬にも入った。 リオが倒れてから3日経っていた。リオの食べたゼリーからは致死量には満たない量ではあったが毒物が混入されていた形跡があった・・・。 相馬が一口食べたものも全て検査に回した結果。クーラーボックスの中にあったゼリーの内の一つだったのは間違いは無かったが・・・、毒物が混入されていたのはリオの口にしたものだけだった。 

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