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着信アリ・・・

ふぅ・・・ なんか、こんなゆっくりと朝食を食べたのは久しぶりな気がする・・・。 食後の紅茶を飲みながら、一息つくと相馬と目が合った。 目の間に相馬が居る事が、嬉しい。 思わず、頬が緩んでしまう。 昨日の出来事が嘘のように感じる。なんだか、長い夢だった様な・・・・ そんな気分を相馬に現実に戻された 「翼、少ししたら家まで送るよ。今日の便で、ご両親の所へ行くんだろ?」 「あ、うん・・・。」 そうなんだけど、折角相馬の家に来たのになぁ・・・。 夢心地だった翼の気分は一気に急降下してしまったが、相馬がそんな気分なんて一蹴した 「翼が良ければ、今度ちゃんと実家に招待させてくれないか?」 「?」 いつの間にか空いていたカップをテーブルに置いて 相馬の言った言葉を反芻してると 田中が開いたカップに紅茶のお替りと正解を一緒にくれた。 「ここは、相馬様の弓道の練習用の別宅でございます。」 「あ、ありがとうございます。 え、・・・弓道用の別宅?」 翼が御礼を告げると、田中は一礼して後ろに下がった。 「元は、弓の師匠に教えてもらう為に用意した家だったんだけどな・・・。ココも当分は使えないからな・・・。それに、ここから学園迄は流石に遠いだろ。」 翼の問いは、今度は相馬が答えてくれた そう言われて、自分が今どこにいるのか翼は良く分かっていなかった。 自分が目覚めた病院から、ここまでウォルフの車で数時間かけてきたのだが・・・その移動中翼は殆ど眠っていたのだった。なので、今いる場所がどこなのかイマイチ理解できていなかった。 そんな様子が伝わったのか、相馬が簡単に説明してくれた。 「・・・ここから、空港まで約一時間。 学園迄なら約3~4時間位ってところかな・・・。」 そう言って、相馬もカップに口を付けた ・・・そう言えば、ウォルフはなんでこの場所を知ってたんだろう? 病院でもウォルフは迷う事無く、場所の指示をしてた気がする・・・、咲紀が教えたのかな?それとも携帯で・・・ 「あ!! 携帯!!」 「!! 携帯がどうかした?」 「あ、ごめん。デカい声出して・・・。そういや、携帯取り上げられたままだったの思い出して・・・。」  「・・・そっか、携帯は翼の手元に無かったのか・・・。」 「・・・う、うん。相馬と連絡とるなって、言われて・・・・。」 気まずい空気が流れ、思わず下を向いてしまった翼は、それでもそのまま話をつづけた。 「その・・・相馬、オレに連絡くれたりした・・・?」 携帯を取り上げられてた時に、相馬から何度も連絡があったんじゃないかと気になっていた・・・ けど、咲紀達は連絡は無いと言ってたのが、悲しくて仕方なかった。 咲紀達が付いた嘘で有って欲しいと翼は思っていた。 それ程、相馬からの連絡を翼は欲しかったのだ。 けれど、今 目の前で咲紀達が言っていた事が本当だったら・・・そう思うと、顔を上げる事が出来なかった。 そんな翼を見て相馬がほっとしたような表情で、小さく息をはいた。 「よかった・・・。 何度か、連絡をしたのに返信も無かったし、途中からは電源も入ってなかったから翼を傷つけたまま嫌われたかと思った・・・。」 そう言われて、俯いてた顔を翼が上げた。

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