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しばしの団欒
ウォルフと、ウォルフの父親は仕事で出かけた為、久しぶりの一家団欒。
な、なんでこんなに空気が重いのでしょうか????
「うぁ〜このステーキ美味しいなぁ・・・。」
柔らかい仔牛のフィレステーキ。
普段なら絶対食卓に出てこない様な食事なのに、食卓の雰囲気のせいで肉の味が味わえない。
「そんなに、美味しいなら翼もこっちで一緒に暮せばいいんじゃないかしら?」
「そうだね。母さんの言う通りだね。そしたら、事件に巻き込まれる事もないだろうし・・・」
「・・・・。」
さっきから何かと、この話題
ウォルフと咲紀からなんて聞かされてるのかわからないけど・・・一方的に、言われるのも
居心地が悪いんだよなぁ・・・。
はぁ・・・
思わずでた、ため息が思いの外
大きく、両親達は押し黙ってしまった。
「・・・あ、ごめん。」
って、オレが悪いのか?? けど、まぁ・・・
子供を心配してるだけなんだよな。
「父さんも、母さんも心配してくれてありがとう。・・・けど、オレはあの学園を卒業したいし・・・。それに・・・友達と離れたくないから。」
「・・・おにぃ・・・。あーもう! パパもママも久しぶりなんだから、楽しい話題にしよ?」
「そ、そうだな。 それじゃ、こないだのテストの話でもしようか?」
「ちょっと、パパ?!!」
咲紀の一言で、話題と共に空気が変わった。
(まぁ・・・・生物のテストの話でまた小言になりそうだったけど・・・)
「あ、そうそう! 明日、うーちゃん達のお爺様がパーティーを開くそうだから、あなた達もこっちに居るんだから、参加しなさい。 部屋のクローゼットに服用意してあるから、サイズ確認してみて頂戴。」
「はーい♪ パパ、そしたら明日買い物にもいっていい?」
・・・パーティーかぁ。
咲紀の方を見ると、嬉しそうにパーティーの話をしている。
誠は一般的な会社員の家庭で育ったからか、感覚がどうしても庶民的になってしまう。
こっちの世界での、翼の家庭は生活は慎ましいものの、取り巻く環境は一流階級の人達が多く、こういったパーティーにはよく招待されたり、開催するのだった。
「それに、翼もそろそろ彼氏や彼女の一人出来ても良い頃だものね。」
・・・ん?
んん??? どういう事・・・・???
「えー、けど、パパもママも恋愛結婚じゃん! ウォルフのパパとママが戦って勝ったって話何度も聞いたよ!!」」
「あら〜そうだったかしら? けど、パパとママもきっかけはパーティーだったのよ〜?」
話の流れが逸れて、両親の惚気話と馴れ初めになったのは、有難い様な・・・ちょっとキツイ様な・・・。
部屋に戻りクローゼットの中を確認した。
うぁ・・・。凄っつ・・・。
質の良いジャケットにスーツ一式 靴も用意されていた。
その中の一着を思わず手に取る。
おお、なんかカッコイイ・・・。
思わず、姿見に映った自分の姿に思わず自画自賛してしまう。
なんか・・・相馬みたいだな。
あいつなら、なんでも似合いそうだけど・・・・
何かが引っ掛かった。
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