131 / 208

しばしの団欒

ウォルフと、ウォルフの父親は仕事で出かけた為、久しぶりの一家団欒。 な、なんでこんなに空気が重いのでしょうか???? 「うぁ〜このステーキ美味しいなぁ・・・。」 柔らかい仔牛のフィレステーキ。 普段なら絶対食卓に出てこない様な食事なのに、食卓の雰囲気のせいで肉の味が味わえない。 「そんなに、美味しいなら翼もこっちで一緒に暮せばいいんじゃないかしら?」 「そうだね。母さんの言う通りだね。そしたら、事件に巻き込まれる事もないだろうし・・・」 「・・・・。」 さっきから何かと、この話題 ウォルフと咲紀からなんて聞かされてるのかわからないけど・・・一方的に、言われるのも 居心地が悪いんだよなぁ・・・。 はぁ・・・ 思わずでた、ため息が思いの外 大きく、両親達は押し黙ってしまった。 「・・・あ、ごめん。」 って、オレが悪いのか?? けど、まぁ・・・ 子供を心配してるだけなんだよな。 「父さんも、母さんも心配してくれてありがとう。・・・けど、オレはあの学園を卒業したいし・・・。それに・・・友達と離れたくないから。」 「・・・おにぃ・・・。あーもう! パパもママも久しぶりなんだから、楽しい話題にしよ?」 「そ、そうだな。 それじゃ、こないだのテストの話でもしようか?」 「ちょっと、パパ?!!」 咲紀の一言で、話題と共に空気が変わった。 (まぁ・・・・生物のテストの話でまた小言になりそうだったけど・・・) 「あ、そうそう! 明日、うーちゃん達のお爺様がパーティーを開くそうだから、あなた達もこっちに居るんだから、参加しなさい。 部屋のクローゼットに服用意してあるから、サイズ確認してみて頂戴。」 「はーい♪ パパ、そしたら明日買い物にもいっていい?」 ・・・パーティーかぁ。 咲紀の方を見ると、嬉しそうにパーティーの話をしている。 誠は一般的な会社員の家庭で育ったからか、感覚がどうしても庶民的になってしまう。 こっちの世界での、翼の家庭は生活は慎ましいものの、取り巻く環境は一流階級の人達が多く、こういったパーティーにはよく招待されたり、開催するのだった。 「それに、翼もそろそろ彼氏や彼女の一人出来ても良い頃だものね。」 ・・・ん?  んん??? どういう事・・・・??? 「えー、けど、パパもママも恋愛結婚じゃん! ウォルフのパパとママが戦って勝ったって話何度も聞いたよ!!」」 「あら〜そうだったかしら? けど、パパとママもきっかけはパーティーだったのよ〜?」 話の流れが逸れて、両親の惚気話と馴れ初めになったのは、有難い様な・・・ちょっとキツイ様な・・・。 部屋に戻りクローゼットの中を確認した。 うぁ・・・。凄っつ・・・。 質の良いジャケットにスーツ一式 靴も用意されていた。 その中の一着を思わず手に取る。 おお、なんかカッコイイ・・・。 思わず、姿見に映った自分の姿に思わず自画自賛してしまう。 なんか・・・相馬みたいだな。 あいつなら、なんでも似合いそうだけど・・・・ 何かが引っ掛かった。

ともだちにシェアしよう!