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顎クイパイセン

ふぁぁ・・・ 朝から、咲紀と母についれられてモーニングがてらの、市内散策。 咲紀のテンションがやたらと高くて、寝不足の体にはキツイ 「ねぇ・・・二人とも、オレ休んでても良い〜??」 目に入ったカフェを指差す 「あら、もうへばったの?? 仕方ないわね、咲紀ママと二人であのブティック見て回りましょうか。」 「もう、おにぃは体力ないなぁ〜。」 二人と別れて、カフェにはいると壁のポスターが目に入った。  ・・・流星群? 星・・・っつ はぁ・・・またか・・・。なんか、こっちにきてから頭が痛くなるなぁ。 案内されたテラス席でさっき見たポスターが引っ掛かっていた なんだろう・・・。何か忘れている気がする 頼んだアイスコーヒーの氷が音を立てた 「あれ? 君は・・・」 「えっ?  ・・・あ、伊集院先輩?? 」  顔を上げた先に、まるで絵画から出てきた様な煌びやかな光を纏った美青年が立っていた 学園内では、目立ちすぎていたプラチナブロンドもこの街には溶け込んでいた。 思わず声をかけてしまったけど・・・この先輩なんだか前に見た時より白くなってる気がする。 学園でもあまり見かける事が無い人物の突然の登場に、思考がストップしてしまった。 「・・・本当、君は僕の顔が好きなのかな?」 グイ 「ふぇ・・・?」 ひぃぃぃ・・・ か、顔が近い!! ってか、これって・・・・これって・・・ 顎クイ?! いや、ここ公衆の面前!!  「せ、先輩・・・。近いです。」 先輩の手をそっと払う その事に気分を悪くした様子もなく にやっと笑って、突然現れた先輩は先に行っていた人物のもとへかけていってしまった。 「・・・伊集院先輩と・・・あの人は・・・。っつ・・・」 はぁ・・・なんだ??なんで、こんな所で先輩が?? 「おにぃ! お持たせ〜。・・・どうかしたのおにぃ? なんか、顔色悪くない??」 「あら、翼大丈夫??」 ヒヤリとした母の手が翼の額に当てられる 「ちょ! 母さん、恥ずかしいって。」 「ふふ、それだけ元気なら大丈夫そうね。」 二人が来た事で、さっきまで感じていた事をすっかりと忘れてしまっていた。 す・・・・・ごい場違いな気が・・・。 ああ、胃が痛くなってきた・・・ さっきから、入れ替わり立ち替わりで色々な人に挨拶されては歳の近い娘や息子を紹介される。 同じ様に咲紀にも何人かの人が挨拶していた。一際、人だかりのできている方を見るとその中心にはウォルフとその父、さらにウォルフの祖父もいた。同じようにその側には両親の姿まで あれなら、少しぐらいなら、外に出ても大丈夫そうだな・・・。 綺麗に飾り付けされた庭へ翼が出ると 入れ違いに入ってきた存在にに中が少し騒ついた

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