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有言実行
「あ、あの!!」
不意に背後から、肩を掴まれた
掴んだ男の顔に翼の体は硬直してしまった。
「!!」
な、なんで!!
震えが止まらない・・・。ひゅっ・・・い、息が・・・
「あ、あの・・・!! ちょ・・・大丈夫ですか?!」
「翼!!」
!!? その声は・・・相馬?
後ろから、抱きしめられた腕に呼吸が楽になる。
「そ、相馬様・・・お声をお掛けしたら急に・・・。」
「・・・え・・・」
「翼、大丈夫? ・・・彼は違う。」
そう言われて、顔をよく見るとホクロの位置が違う。
何より、翼の事をしっかりと見ていた。
「・・・、本当だ・・・。」
「は、はい! 私は、相馬様に支えさせていただく事になった、恭二と申します。この度は兄が・・・」
言葉が詰まる
「・・・オレは、大丈夫だから・・・。顔上げて・・・」
いつのまにか膝をついてしまっていた、恭二の顔を上げさせる。
「・・・うん。オレは大丈夫。恭二さんも辛かったでしょう?」
その言葉をきっかけに、恭二はその場に静かに泣き崩れた。
「ごめんなさい・・・」
そっと、恭二の肩に触れた。
翼の手に相馬の手が重なる。
「恭二、もう下がっていい。」
「・・・はい。失礼します。 お見苦しい所をお見せして申し訳ありませんでした。」
翼と相馬に礼をして恭二は下がった。
重なっていた手ごと、抱きしめられる。
「・・・相馬、なんで?」
「約束しただろ? 試合終わったら、会いに行くって。」
「………相馬。」
「さっきは、恭二が驚かせたみたいで悪かった…。」
二人は庭園内のベンチに移動した。
「あ、あの人と同じ顔だったけど……、双子なのか??」
「………正確には違うかな。 彼らの母親は違う人だから…。」
それから、相馬は簡単に彼らの生立ちと自分との関係を話してくれたけど、誠の時の記憶、翼としての環境……どれを持っても、彼らの生立ちには同情しか持てなかった。
「…なんか、悪いことしちゃったなぁ…。 あんなに、怖がるつもりはなかったのに…傷付けた。」
「…翼が悪い訳じゃない。 」
「……相馬。けど、彼も被害者じゃないかな……。」
「………。 翼は優しいよな……。」
相馬はそのまま黙ってしまった。
ふと、夜空を見上げると流れ星が流れた
「あ! 相馬!流れ星!! あ、また!」
「え? あ、ああ。 もうすぐ、流星群が見れるから…」
「……え? 」
流星群・・・確か・・・あ、頭が痛い・・・
遠くで相馬の声が聞こえた気がする
「・・・翼? 体調は大丈夫?」
「相馬? あれ、ここ。」
「・・翼、一度検査したらどうかな?」
「っへ?」
「どこか悪いのかもしれないよ? オレが側にいる時ならまだしも、いない所で倒れたりしてたら・・・・。」
握られてた手に力がはいる
「お願いだから、翼。」
「・・・わかった、健康診断だと思って受けてみるよ。」
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