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ガマガエル
と、言ったけど・・・
ここは一体どこだ・・????
なんだか、病院とは少し違うような?
うーん。 レントゲン室に行くつもりだったのになぁ。なんでこんな所に??
「あれ? 君は・・・?」
「え? あ、伊集院先輩?」
と、誰だろう・・・隣の人・・・。 人の事、ジロジロ見て・・・。
「あ、彼は僕の学園の後輩なんです。」
「へぇ〜。あの学園の子がなんでこんな所に?」
「・・・レントゲン室探してて、迷子に・・・」
「はぁ〜、検査か何かか。ここは一般人の入ってくる場所じゃないんだけどね・・・。それに、ここは君の様な庶民が来る様な場所じゃないんだけどなぁ。」
な、なんだ?初対面の人間に対して・・・この人感じ悪!!
「・・レントゲンって何か、怪我でもしたのか?」
伊集院先輩が心配そうに声をかけてくれるが、その隣では偉そうに腕組みして人の事を品定めしている様だった。
「怪我というか、健康診断というか・・・・相馬の奴が心配して・・・」
「・・・ああ。ってことは、青桐も一緒なのかな?」
「青桐だと? 君は、青桐相馬君と御学友なのかな? それなら、この僕がお望みの場所へご案内してあげようじゃないか。 この忙しい僕が直々に相馬君のご学友の君を!!!」
この男の言葉と態度には一切の好感は持てなかったが、目的の場所に案内してくれると言うので案内をしてもらう事にした。
「ああ、所でカミュ。研究費用の方はどうなってるんだ?お父様に言って早く用意してもらえ。君の様な恥知らずを我が一族に迎え入れるんだから、それぐらいはしてもらわないと・・・」
「・・・はい。」
「・・・。」
思わず、伊集院先輩の裾を掴んでしまったが、その手をそっと払われてしまう。
・・・伊集院先輩。
しかし、この人本当失礼だな・・・。案内してる間ずっと、伊集院先輩のお尻触ってるし
オレの事もなんかジロジロ見てるような・・・。それに、こいつの顔とカエルっぽいんだけど。ああ、駄目だ。オレ、ギョッロとした目で見られるのは無理なんだよ・・・。
早く、レントゲン室についてくれ〜。
「ああ、そこの角を曲がればレントゲン室になるから。」
「は、はい!! 伊集院先輩、ありがとうございました!!!」
「君、待ちなさい。この僕に、案内させたのだから君は、僕に礼の一つも言えないのかい?」
そう言って、翼の腕を掴んだ。
ひぃ〜、無理無理。 なんでこの人、掴んだところから擦り上げてくるの?キモいキモい
ってか、伊集院先輩なんでこんな人といる訳??先輩は・・・
先輩の方を見ると、顔色がドンドン悪くなっていく。
同時に、冷たい空気と共に足音が角の方から響いてきた
「・・・翼、その人は誰かな?」
「そ、相馬!! こ、この人は・・・」
・・・誰だ???
掴んでいた手を払い除ける様に、翼を引き寄せる
「伊集院先輩、こんな所でお会いするとは・・・。ああ、ここはあなたの婚約者の職場でしたか・・・。 」
「君、失礼だぞ!! 僕は、君の友人をここまで連れてきてやったんだ! 礼ぐらい言えないのか!!」
「・・・ああ、これはこれは。ここまで連れてきていただきありがとうございます。
先程は、翼に付き纏ってる様に見えたので・・・。伊集院先輩も、もう少し品のある方だと思っていたけど・・・残念ですね。」
「なっ!!君ね!! 青桐家のご子息だからっていい気に!!」
「青桐、僕たちはもう行くから・・・。佐々木君も検査なんともないといいね。」
騒ぎ立てようとする、男の腕を掴んで伊集院はそのまま歩きだした。
「あ、ありがとう御座いました。」
来た道を戻っていく伊集院達に声をかけるが、二人は振り返る事なく行ってしまった
はぁ・・・本当気持ち悪かった。
こんな状態でレントゲンとか撮って、この胸のモヤモヤとか写ったりしないかな・・・
はぁ・・・
何度目かわからない、ため息が出る。
ふと、繋がれた手が目に入った
「あ、相馬! 手・・・」
「人が来るまでは繋いでてもいい約束だろ?」
ひぃぃぃ・・・久々に見た!!イケメンの笑顔!
しかも、相馬に対しての感情を認めた今・・・こ、この状況は嬉しけど、恥ずかしすぎる!!
「ほら、レントゲン室。最初から、連れてきてれば良かったな。そうすれば、あんな奴に触らせる事も無かった・・・」
相馬の指先が翼の指先をなぞりながら離れていく
あっ・・・
思わず、離れた指先を掴んでしまった。
「・・翼?」
驚いた相馬の顔もカッコイイ・・・って、掴んじゃったよ!!
「・・・相馬、さっきの伊集院先輩の婚約者って・・・」
「あ、ああ。発表はまだだけどな・・・」
「だって、先輩は・・・」
あの人を愛してたはずなのに・・・
っつ・・・やば・・・ここで倒れると・・・
「!!翼!!」
目の前が暗くなる
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