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伊集院カミュ (1)(伊集院 カミュ 視点)

いつかこんな日が来るとは思ってたけど…… 思ったより早かったかな。 元々、家の製薬会社の業績が悪化していたのは知っていた。そこに、新薬の重大な副作用が発覚した事により、建て直す為には今回の件は必要な事というのも理解している。 何より、こんな家に産まれたからには、政略結婚なんて珍しくもない。 ただ、相手が気に入らないだけで・・・ はぁ・・・ 思わずため息が出てしまいそうになる。 その様子に、男の眉がぴくりと反応した 「カミュ、さっきの態度はなんだい?」 バシッ ッつ・・ この男は、伊集院家を立て直すための救世主様 自分が我慢すれば全て丸く収まる・・・けど・・・ 佐々木翼と別れて、小一時間は経とうとしているが、一向にこの男の気は収まらない そんな男の様子を、宙に吊るされている状態でも冷静な頭で見ていた。 そんな態度がこの男の癇に触っているのだが、分かっていても変えるつもりは無かったが、そろそろ吊るされている腕が限界を感じていた。 はぁ・・・仕方ない。 バシッ くっ 「ほら、もっと顔を上げてよく見せてご覧?」 バシッ 「も、申し訳ありません………。 あぁ……」 顔を上げると、金色の瞳から涙が流れる バシッ 「ああっつ・・・」 カミュがわざとらしく痛がり身をよじると、その姿に厭らしい笑みを口元に浮かべる 「僕は謝罪が欲しい訳じゃないよ? 理由を聞いてるんだよ?」 バシッ カミュの白いシャツの背中は、音ともに紅く一筋の線が入る 「申し訳ありません……。 彼に貴方が触れたモノで……し、嫉妬してしまいました……………」 大きく振り上げられた手に握られていた細身の鞭が振り下ろされる バシッ 「あっ!!」 「ふーん そういう事なら、仕方ないね。 そんな可愛い事を言うなら、もっと私のモノという事を君には解らせてあげるよ。」 バシッ シャツが破れ、紅い滴が垂れる 「ああ、カミュ なんて綺麗なんだ。」 「あっ……あっあ……」 つけられたばかりの痕に指でなぞられる 「ほら、自分のだろ? 顔を上げて綺麗に舐めなさい。」 「はい……。」 「全く、本来なら君のような傷物を僕の様な高貴な人間が相手にする必要も無いんだからな、有難く思いなさい。 ほら、もっと奥までちゃんと咥えて舐めなさい」 んんっ ふぁっ…… 今度は口腔内を指で蹂躙し始める 「そうだ、ほらもっとちゃんと舌を使え。 引き抜かれたくないだろ?」 あっあ……おっ… より深く突っ込まれ思わす嘔吐いてしまう 「………、フン! 汚らしい・・・ 」 バシッ 指は引き抜かれ、代わりに男の平手が飛んだ 「おい、この部屋の始末と、こいつの手当をしておけ。 跡が残らないように綺麗だぞ。」 そう言って、男は部屋を出て行った。 入れ替わりで入ってきた、白衣の青年にカミュは下され手当てを受ける。 長時間吊るされていたせいで、下ろされた時には足と腕に力が入らず 下ろしてくれた青年にもたれ掛かってしまった。 「す、すまない・・・。君の白衣まで・・・」 「いえ・・・お気になさらないください。」 そう言って、その青年はカミュを抱き上げ研究室内にあるシャワー室へ連れて行った。 「ありがとう。自分であとはできるから・・・。」 「ですが、背中の手当てが・・・」 鏡越しに目が合う。 その目に灯る光に、背筋に冷たいモノを感じ、青年はそれ以上くさがる事なく部屋でた。 「はぁ・・・あの変態!! 」 バンッ!! 鏡に映る伊集院の顔にヒビが入った

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