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伊集院カミュ(5)(相馬 視点)

翼と別れてすぐに、先輩を見つける事が出来たが・・・ まさか、こんな事になっているとは・・・ 「相馬、伊集院先輩・・・大丈夫?」 「・・・ああ、今眠ってる。」 「・・・そっか。 良かった。」 部屋のベットに寝かされている伊集院の姿を見て、翼はやっと安心できた。 あの時、追いかけていた男たちはきっと婚約者のガマガエルが手配した人達 もし、あのまま捕まっていたら先輩とはもう会えなくなっていた・・・ 良かった・・・。そう思うとポロポロと涙が頬を伝った 「ちょ・・翼?!」 咄嗟に相馬に引き寄せられる あやす様に背中を撫でられて、余計に涙が出てきた あ・・・相馬の心臓の音が聞こえる。 トクントクンって・・・・なんか可愛いかも・・・。 この音もう少し聴きたい。 無意識にしがみつく。 「つ、翼・・・・!?」 あ、少し早くなった・・・。 って・・・この格好って・・・もしかして・・・!!!!! 「ご、ごめん!!相馬!オレ、抱きつく感じになってた!!!」 ガバッ 「え・・・あ、うん・・・・気にしてないよ・・・・・」 着地点を失った相馬の両手は空を掴んだ プッ 「お前ら何してんの・・・」 ベットの上で、笑いながら先輩がこっちを見ていた。 「悪い・・・邪魔するつもりはなかったんだけど・・・」 二人がベットのそばに駆け寄ると、伊集院はゆっくり起き上がった 上半身には、包帯が巻かれていた。 相馬がガウンを羽織らせた 「伊集院先輩・・大丈夫ですか?」 「ああ・・・二人とも迷惑かけたみたいだね・・・。」 ガウンを掴んだ手にも、包帯が巻かれていた 「・・・伊集院先輩。オレが言うのもお門違いなのは重々承知してます。けれど、どうしても一つ言ってもいいですか?」 「・・・何かな?」 「諦めるんですか?」 二人のやり取りを、ただそばで相馬は黙って見ていた。 翼が何故、伊集院の婚約を反対するのかは分からないが、手当てをした報告によると無数の細い赤い痕が背中にあった。中には裂傷になっているものも・・・。ただ、どれも綺麗に手当された跡があるとの事だった。 翼に「お願い」されて、あの婚約者を調べたら随分と脛に傷のある男らしい・・・ この婚約自体を破棄させる事は、簡単だけど・・・。 目の前の二人を見る 翼の言う様に本人が諦めてしまっていたら、助けたところで伊集院は救われないだろうけど・・・ まぁ・・・翼が望むなら、オレはどっちでもいいけどね。

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