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田中でございます。(余談)
皆様お久しぶりです。
青桐家次期当主の相馬様に支えさせて頂いている、田中でございます。
相馬様が今、一番興味を持たれている佐々木様を空港までお見送りしてからの相馬様の活躍っぷりは、幼少期の運動会以来だったのではないでしょうか?
本日は、そんな相馬様が佐々木様を連れてこちらに戻ってこられるそうで・・・
ふむ・・・。この茶葉はアイスで飲んでも良いかも知れないな・・・。
「・・・田中さん? 何してるんですか?」
「・・恭二さん、もう掃除は終わったんですか?」
「はい!あとは、ベットの搬入を待つだけです!」
「そうですか。でしたら少しお茶にでも致しましょうか? 貴方もこちらにどうぞ・・・」
そう言って、田中は自分の目の前の椅子を勧めた。
「良い香りですね・・・。アイスで飲んでも美味しいかも知れませんね。」
「・・・そうですね。」
彼は、あの一件で正式に青桐家に仕える事になり、今は私の元で相馬様のお力になれる様に日々努力する姿は好感が持てますね・・・。
本当、あのお坊ちゃんの元に居た頃から随分代わりました。
「田中さん・・・、その・・・自分で本当によろしいんですかね・・・」
「・・・相馬様がお決めになった事ですから。」
「・・・けど、先日佐々木様に失礼な事をしてしまって・・・。」
ああ、あれは・・・、失礼と言うよりは相馬様のお考えの一つかと思いますけどねぇ・・・。
でなければ、あんな場所で佐々木様に声をかけさせるはずが無いでしょうに。
それに佐々木様は恭二さんに対して、同じ被害者だと思っている様でしたし・・・。
まぁ・・・これも、青桐家に仕えると言う事。
そこは、頑張っていただかないとですね・・・。
「あ、田中さん、紅茶のおかわり入れましょうか?」
カップが空いたのを確認すると、恭二が声をかけてきた
「・・・お願いいたします。」
「はい!」
田中の側に立ち、カップに紅茶のおかわりを注ぐ
注ぐ姿も、随分板についてきた様ですね・・・。横目で恭二を見ながら口元にだけ笑みを浮かべた。
「しかし、田中さん。あの部屋の掃除したのは良いんですけど・・・中扉の鍵壊れてたんですけど・・・修理しておきますか?」
「おやおや・・・そうですね。・・・・修理しておきましょうか。」
「かしこまりました。あ、そしたら片方からは開かない様にした方が良いですよね?」
ふむ・・・
「・・・。それでしたら、片付けた部屋の方からしか入れない様にお願いいたします。」
「え! ですが、隣は相馬様の・・・」
有無を言わせない顔を向けられた恭二は口を噤んだ。
「ほら、恭二さん。貴方もおかわりでもどうぞ。」
どうりで、あの部屋を片付けさせたのか・・・。
相馬様も可愛らしいところがありますね・・・。
そんな相馬様には田中から一つ宿題でも出せてもらいましょうか。
ふふふ・・・
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