147 / 208
夏といえば
「あ! そうだ、これ・・・三人にお土産!」
「なになに〜 ストラップ?」
「あ、これ・・・オレらの色?」
相馬には青、朝比奈は赤、黄瀬は黄色の玉の付いたストラップ
雑貨屋で見て、思わず買ってしまったが・・・
今思えば、これは好感度上げるアイテムだったんじゃ?? なんかこんなアイテムあった気がする・・・。まっ、みんなに買っておけば変な事にならないかなと・・・思ったのだけど・・・。
「・・・。」
相馬の様子が、なんか変な気もするんだけど・・・。
「やっぱ、ストラップとか・・・邪魔だったかな?」
「え? あ・・・そんなんじゃなくて・・・その・・・。」
そう言って、相馬が田中に持って来させたのは翼と同じ紙袋に入った、3つの包み。
「これ、三人に・・・。なんとなく目に付いたから・・・。」
「え!?相馬が??!!!!」
「マジ?!」
「・・・開けて良い?」
中から出て来たのは、翼がくれたストラップと同じ玉の付いたストラップだった。
翼のは、緑色の玉が付いていた。
「「「「・・・・・」」」」
プッ・・・
誰ともなく、笑いが出てくる。
「ちょっと〜、僕とリョウ、同じの二個とか!二人ともどんだけ仲良いんだよ」
「ってか、一緒に買いに行ったんじゃねーの?」
「ホント、凄い偶然だね。」
「だな・・・。」
「皆さま、そろそろデザートなどは如何でしょうか?」
そう言って、田中がアイスを持って来た為、お土産の話題からアイスの話題、残りの夏休みの予定の話に変わっていった。
「あ! 忘れてたんだけど、三人ともプール行かない?」
「プール?」
「そう! こないだ、新作スイムウェアの発表で使った所がナイトプールやってるみたいでさ、招待券もらったんだけど・・・」
「いいね! 相馬と翼も行こうぜ!」
「いいね!!行きたい!相馬は予定は?」
「ああ、問題ない。」
「そしたら、カメラ持って行ってもいいか?」
そう言った翼が
キラキラした目で三人を見ている事にきっと本人は気が付いては居ないのだが・・・
「「「・・・・・」」」
「やっぱ・・・駄目?」
「あ!!オレ、宿題終わってないから、それ終わらせてからでもいいか?!」
「え!リョウってば、まだ終わってないの?!」
「なら、それ終わった頃にだな・・・。」
「みんなわりーな・・。夏休み最終日前には終わらせるから!!!」
「じゃー、1週間後でどう? リョウも期限決まんないと終わらないだろ?」
翼が人差し指を立てて、ドヤ顔で言うと三人は黙ってしまったが、観念した様に黄瀬が言った。
「「「・・・・」」10日後で・・・。」
「ちょ! そんなに、宿題残ってるの!?え、大丈夫??手伝うけど・・・。」
「いや、まぁ・・・そうなんだよ。けど、一人でも大丈夫だから!だから、10日後でお願いします。」
「あはは! オレは構わないけど、絶対に終わらせろよ?」
「じゃー、10日後で決定!!相馬も問題ないよね?」
「ああ。そしたら、リョウは今日が最後の晩餐的な感じだな・・・」
「だ・・・な。」
項垂れるリョウを横目に、翼はアイスのおかわりを田中にもらいに行った。
ポン
両サイドから、相馬とハルに肩を叩かれる。
「「「とりあえず、10日間筋トレだな。」」ね」
ため息と共に、三人の呟きが溢れた。
ともだちにシェアしよう!