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ナイトプール
「うわぁ!! 凄い!! なにこれ!!!」
色取り取りのライティングがされて、プールサイドにはイルカやシャチ、フラミンゴの浮き輪があり、遊園地の様になっていた。
「相馬とハル、これに乗って!! リョウは、ここに立って!!」
カシャ! カシャ!!!
「次、これ!! ちょっと、プール入って、これ持って!!」
「「「・・・・」」」
「ちょ!! ほら!三人とも顔! 顔作って!!! にーって、笑顔!!」
カシャカシャカシャ・・・
連続されるシャッター音が止まる事なく聞こえる
「・・・翼くーん、そろそろプールで遊ぼうよぉ〜」
「そーだよ!!翼!!! カメラ置いて遊ぼうって!」
「あ、あと一枚!!一枚だけでも!!!!!!」
「・・・田中。」
「かしこまりました。 佐々木様、そちらお預かりしいたします。 お写真は私どもにお任せくださいませ。」
そう言って、田中が翼の持っていたカメラを受けとり、恭二渡した。
「ほーら!! 翼君!!! 」
バシャ!!
「うわっ!! ハル!! もー!!やったな!!」
「わっ!! 二人ともやりやがったなぁぁ!!」
「あはは!! ほら!相馬にも!!」
「!!」
水の掛け合い、ビーチボール一頻り遊んだところに、田中が声をかけてきた。
「皆様、そろそろ 御夕食の用意ができましたので、一度こちらにどうぞ。」
「お腹すいたぁ〜!!」
そこには、BBQの用意がされていた。
しかも、これ絶対バーベキューで使う肉じゃない・・・!
「うっま!!」
「ほら、翼。肉、食べて。」
「っちょ!! オレよりハルにも食わせろよ〜!!」
「えー、僕、食べてるよ〜」
そう言いながら、次から次へと肉が皿に載せられていく。
あの・・・、野菜もください・・・・。
皿に載せられた肉を必死に消費していると、相馬とリョウが他の女性客達に声をかけられてるのが見えた。
「うわ・・・。あの子達もチャレンジャーだね。」
「もぐもぐ?(そう?)」
皿の肉を食べるのに必死で、相馬達の方をちらりと確認して、すぐに視線を皿に戻してした。
その女の子達が相馬とリョウの腕に纏わり付いているのを翼は見ていなかった。
「あのレベルで、相馬達に声かけるとか・・・」
「も・・・もぐっ?(は、ハル?)」
げっほげっほ
食べていた肉に引っかかって、むせると飲み物をハルが差し出してくれた。
「ちょ・・ 翼君、大丈夫?」
「い、いや・・、ハルがそんな事言うとは思わなくて・・、びっくりしてる。」
「あー、普段はネコ被ってるから。」
そう言って、皿の上の肉にフォークをぶっ刺す。
「そうな・・んだ・・・」
翼も、皿の上に残っている肉を口に運んでいく。
・・・ハルって、こんなキャラだっけ? そんな顔も可愛いけど・・・。
もぐもぐ
「・・・それだけ?もっと、驚いたりとかしないの?」
「・・・なんで?ハルはハルだし・・・。驚きはしないけど・・・? 」
もぐもぐ
「・・・そっか。 そんな君だから、あいつも好きなんだろうな・・・。」
そう言うとハルが視線を逸らした
「・・・ハル?」
「あー、もう!! マジ、しつこかった!!」
珍しく黄瀬が声を荒げて、テーブルに戻ってきた。
奥の方では、田中さんが相馬達に絡んでいた女の子達をガードマンに引き渡しているところだった。
「リョウがそんな風に言うの珍しいね・・・。」
「あー、あんま、女の子の事悪く言いたくないんだけど・・・。未成年なのに酒飲もうだのなんだのしつこくて・・・。これ見よがしに、体くっつけてくるのも・・・」
ウゲー
気持ち悪そうに舌を出しながら、手で顔を仰いだ
もぐもぐ・・・リョウは見た目に反してそう言うところ、真面目なんだよな・・・。ノリはいいけど、お兄ちゃん体質だから小さい子や女の子には優しい。そのせいか、肉食系女子は好きじゃない。
まぁ・・・乙女ゲームの攻略対象だもんなぁ・・・。
清純派なのが好きだよな。
もぐもぐ
ハルがリョウを慰めてるところに、相馬も戻ってきた。
「あの子達の親に、連絡は入れさせた。」
「なんか、ごめんね。僕がプールに誘ったせいで・・・」
「いや、ハルのせいじゃないから。」
リョウがハルの会話を遮って、持ってきたドリンクを飲む。
相馬もリョウの意見に賛成なのが、頷いていた。
「そーだよ、ハルの所為じゃないだろ。 こいつらが、イケメンすぎるからだろ。 」
もぐもぐ
やっと、肉 食い終わる〜!!! いい肉も食べすぎると顎疲れる・・・。
「「「・・・・」」」
って、何!?
3人が無言で翼の皿に肉を追加していったのだった。
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