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お腹いっぱいです

「あー、食べ過ぎた!!」 「あはは、翼の腹やばいな!!」 「水着だから、仕方無いだろ!! ほら!!ぽっこりだよ。」 そう言ってラッシュガードをめくった。 白く、滑らかな曲線を描いた腹部 まだ水に濡れていたのか、臍の水滴が溜まっていたのが伝い落ちる 「「「!!!」」」 すかさず、ハルがラッシュガードを戻し リョウは視線を逸らす 「わぁ〜、翼君のお腹すいかみたいになっっちゃったね〜!」 「だろ? 妊婦みたいじゃね? なーんって・・・ 」 ラッシュガードの上からお腹を撫でながら冗談のつもりで言った言葉に 3人の動きが止まり。 相馬の方をハルと、リョウが見る 「・・・・って、3人共、何その顔・・・。」 ・・・こう言う冗談って言わないのかなぁ??? そんなに変な事言っちゃった??? 「・・・そしたら、父親は俺だな。」 相馬が、そう言いながら翼のお腹に手を当てる 「へ? ・・・いや〜、これは恭二さんでしょ!」 「「「!!!!!!」」」 (な・・・何を言い出すの!? マジで!!) (や、やばい。凄まじい冷気が・・・) 「・・・なんでだ?」 「そりゃ、肉ひたすら焼いてくれてたから・・・。しっかし・・・」 ペタっ 「!!」 「相馬の腹筋割れてていいなぁ・・・。」 つい、目の前にあった相馬の腹をさすりながら、自分の腹との違いにボヤく 相馬も家じゃ同じ量食べてたのに、なんでだ? オレなんか、相馬のとこ来て3キロ増えてたし・・。 ペタペタ 腰回りとかもこんなに、引き締まってていいなぁ・・・。 リョウも良い体してるけど・・・ 意外と、ハルも引き締まってんだよなぁ・・・。 つぅぅ・・・・さわさわ・・・ ガッシッ!! 急にハルに手首を掴まれ、ビックリするが・・・ 「え・・・あ・・・」 自分のしていた事に気がついて、血の気がひいて行く。 「つ!翼君!!!!! そ、それ以上は相馬が・・・」 触っていた肌が薄らと熱を帯びていたかと思うと、顔を手で押さえて真っ赤になっていた相馬がそこにいた。 「そ、相馬!! ご、ごめん!!」 触っていた手をパッと離したが、指先にまだ相馬の肌の感覚が残っている 「・・・いや、ビックリしただけだから。」 「ってか、僕達もビックリだからね!! 翼君、いきなり相馬の腹筋なぞり始めるし!!」 「いや・・・ホント、頼むから・・・」 ((そう言うのは、二人の時にやってくれ!!!!)) 「うっぁぁあぁ!!! 凄い!!何ここ!!」 「なんか、ホテルの支配人がお詫びにってこの部屋用意してくれたらしい。」 「へー、凄いな!!!」 微妙な空気になっていた所にホテル従業員がこの部屋のキーを持ってやってきたのだった。さっき、相馬達に声をかけてきた女の子達は、どうやらホテル従業員から今日ここに青桐家の子息と学友が来ると情報を買ったらしい。 豪華な室内に興奮して部屋中見て回ってると、リョウが呆れたように吐き捨てた 「しっかし、今時あんな手でどうにかなるとでも思ってたのかね?」 「え?」 「相馬んとこの権力、金、目当てだろ?」 「リョウ。余計な事は言わなくても良いんじゃないかな。」 「・・・何? この空気?どうかしたのか?」 「あ・・相馬。 さっきの女の子達って・・・」 「ああ、別によくある事だから。」 「そうなんだ・・・。」 ポンポンと頭を撫でられ相馬にそう言われては翼も言葉を続けられなかった。 「あ!!そうーだ!!ベットルームが二部屋なんだけど、ペア決めしよーぜ!!」 「「「え?」」」 「ベット二台づつだったし。 同じ部屋で四人は無理じゃん?」 「いや・・・そこは・・・。」 「なんだよ?ハルは、オレと寝るの嫌なのかよ?」 「そうじゃ・・・」 「じゃー、決定!! はい、相馬とリョウも!! グーパーだからな!! いっせーの!!」 「「「ちょ!」」」 翼の号令に合わせて4人の出した手は、見事に一度でペアが決まった。

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