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朝比奈(2)

あの撮影の帰り道。 相馬とは、何度かパーティーで会う様になり、同い年ということも合ってその内、家にも行く様になっていた。 あの日も、撮影が終わったら相馬の家に行ってゲームをする約束だった。 「田中さんに迎えにきて貰えばよかったかなぁ・・・。」 撮影所から駅に向かって歩いていると、後ろから一台の車が横付けしてきた 「あ、ハルくん!! 追いついて、よかった〜。 さっき、君の事務所の人から電話があって、おかぁさんが事務所で倒れたそうなんだ!! 僕が送ってあげるから、車に乗ってくれないかな?」 「え? 母が・・・? あ、ありがとうございます。」 車に乗っていたのは、さっきまで撮影していた所のディレクターだった。 だから、いつもならそんな誘いになんて引っかからないのに・・・その時は、車に乗ってしまった。助手席に乗り込んだ瞬間に、体に電流が流れて気を失ってしまった。 目が覚めた時は、見知らぬ部屋のベットの上だった・・・ 「ああ、この肌に触れるなんて。 ハルくん、ハルくん。」 うぁ・・・。キッモ!!  つい、睨んでしまった。声を上げたかったが、口と手には拘束具がつけられていた。 「そんな強気な目もいいねぇ〜。 けど、そんな顔ばかりしてると、今日はもうおうちには帰れないかもね。」  そう言って、履いていた右靴下を脱がし、素足に舌を這わせてきた。 服は連れて来られてままの格好だった。 ・・・変に暴れるよりは、様子を少し見た方が良さげか? このおっさん、確か、撮影中もオレの足ばっか見てたよな・・・・。 やたらと、丈の短いズボンと太腿まである様なソックスの組み合わせだったのは、足フェチだったのか??? そんな風に考えていると 膝裏、ふくらはぎ、くるぶし足の甲、足の指一本一本を口に入れた。まるで、飴でも味わう様にピチャピチャと音を立てながら爪の間まで一本一本丹念に舐めていった。 いや・・・マジ、きっも!!何このおっさん!! ありえねぇ!!  足元の男の行為など見たくなくて顔を背けると  ふと壁の時計が目に入った あー、相馬との約束の時間過ぎてるわ・・・。 あいつ、機嫌悪くなると面倒なんだよなぁ。 その時、舌が足裏を舐めた。 思わず、くすぐったさに声が出てしまった。 「ふぅ、っ・・」 しまった・・・この手のは反応すると・・・。 「あぁ・・・可愛い声だ。 はぁはぁ・・我慢できないなぁ」 ガッブ 「イッ!! 」 踵がかじられる。 マジキッモ! こんなオヤジに、いい様にされるとか・・・ 最悪だ・・・。  「こっちも可愛がってあげるね。」 そう思った瞬間、部屋のドアが蹴り破られた 「な!! お前ら誰だ!!!!!!」 「それはこっちのセリフだ!! その子を離しなさい!!!」 黒づくめの男達の後ろから、見知った顔が入ってきて口につけれた拘束具が外された。 「はぁ・・・だから、迎えに行くって言ったのに。」 「・・・相馬・・・。お前、なんで・・・」 「時間に来ないから、居場所、確認した。」 「!! お前、またオレに・・・」 「けど、助かっただろ?」 前に一度、やたらと相馬に自分の居場所がわかるから、問い詰めたら持ち物に全てにGPSをつけられていた。その事に、腹をたてて無視し続けたら相馬が折れ、持ち物から取り外したと言ってたのに・・・ けど・・・まだ、あったのか。 「・・・相馬、助けてくれてありがとう。」 あれ以来、相馬のあの癖はデフォルトになってしまった。 まぁ、相馬の中で失くしたくない人物として認識してしてくれているのは、嬉しいような事でもあるけど・・・。 隣のベットでは、翼が規則正しい寝息を立てていた。 それに釣られて、いつの間にか朝比奈もいつの間にか眠りについていた。

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