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朝比奈(7)

オレが生徒会・・・? そんな、シナリオあったっけ・・・???? それとも、僕が知らないだけで、佐々木翼は生徒会の仕事もしてたのかな? 推しである、相馬の側に居れるなら僕にはご褒美でしかないのだけど・・・。 ちらりと横に座ってる相馬を見る あ・・・この顔は・・。 やっぱり、僕じゃ力不足だよなぁ・・・。 ゲームの画面で見てた時の青桐相馬は、冷静沈着、クールで何事にも動じない。無表情。そんな孤高の狼が主人公の前だけは色々な表情を見せるのだけど・・・ この世界の青桐相馬は、無表情と言う程でもない。 今も、黄瀬が言った事に何かしらの不満があったんだろうなぁ。 それに、生徒会に入るのは相馬ルートに入った主人公が二年生になった時に、相馬自身がスカウトするはず・・・。そしたら、相馬ルート確定であとは、ノーマルエンドかハッピーエンドになるだけ。けど、今ここで朝比奈が生徒会に入ったらどうなるんだろう? 「翼君? どうかした? 急に静かになったから・・・。」 朝比奈に肩を揺すられ驚いて、思わず口調が誠の時と同じになってしまう。 「あ・・いや・・・。僕が、生徒会なんて力不足かな・・・って。」 「・・・僕?」 「え?あ・・オレだよ!オレ!! 相馬の聞き間違いだろ?」 耳ざとい!! つい、考えごとしてると誠の時の感情に引き摺られるのか・・・ 一人称が「僕」になっちゃうんだよなぁ・・・。気をつけよ。 「まぁ、生徒会もだけど、新学期になると留学生が来るからさ・・・。」 「・・留学生?」 「そうだよ。毎年、二学期の1ヶ月だけだけど、姉妹校から来るんだけど。翼君は高等部からだもんね・・・。 いつも、三学期末のテストで交換留学生候補を決めるんだけど・・・。」 「あー、うちらの学年は希望にしたんだっけ?」 「・・・なんで?」 「そりゃ、成績で決めたら、毎回相馬になるからだよ。」 朝比奈と黄瀬がそろって相馬の方を指差す 「人に指を刺すなって・・・。」 「けど、こっちに来る人間もう、わかってるんだろ?」 「・・・ああ、生徒会でそいつの面倒見ないといけないからな。」 そう言って、相馬の眉間にしわが寄った。 「相馬が嫌そうにするの珍しいね・・・。知り合いなのか?」 翼がそう言うと、さらに眉間のシワが深くなる。 「あ、あの・・・申し訳ありません。相馬様、お話中失礼いたします、あちらに・・・」 恭二の示した先に、ホテルの支配人が立ってた。 「・・・ああ。 そろそろ、オレらも帰るか。 翼は、どうする?」 「相馬と帰るよ?」 「そっか。 恭二、車二台で。」 「かしこまりました。」 「翼はそこで待ってて。少し挨拶してくるから。」 相馬と田中が支配人の方へ行き、恭二は車の手配にロビーへ向かった 少し、振り返った相馬に翼は、手を振る。 「はーい。待ってるよ。」 ヒラヒラ〜と手を振って見送る 「・・・翼って、怖いもの知らずなとこあるよな・・・。」 「え? 何が・・・?」 「・・・そう言うところだと思うよ。翼君。」

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