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ウォルフ学校へ行く。

あぁ・・・。こんなに気が重い朝なんて初めてなんだけど・・・。 実は夢でした。って事はないのかなぁ・・・。 ないよなぁ・・・。 ガチャ 「あ、つーくん、おはよ〜。もう少ししたら起こしに入ろうかと思ってたトコだよ。」 ドアの前でウォルフが立っていた。 「それは、やめて。 って、髪濡れてる?」 「あぁ、少しランニングしてきて、汗流したからね。」 「夏とはいえ、洗ったんなら、ちゃんと乾かしておけよ。」 「え〜、ならつーくん乾かしてよ。」 そう言って、タオルを手渡されたが、そのままウォルフへ返す。 「自分でやれ。 オレは、朝食の用意する。」 「えー、ケチ〜。 折角、朝食買ってきたのに〜。」 ダイニングテーブルの上に、紙袋が置かれていた。 「あ、ここ。駅の方のパン屋?」 「ん〜? なんか並んでたから、並んじゃった。」 「そこ、焼きたてパンのモーニングセット有名なんだけど、すぐ売り切れちゃうんだよ!!」 「そーなんだ、なら、つーくんはラッキ〜だね。」 「だな。 ウーが走ってなきゃ食べれなかったしな♪ サンキュー。」 「じゃー、乾かしてくれる〜?」 「はぁ・・・。良いよ、貸して。」 ソファーまで移動して、ウォルフを座らせ髪の毛をタオルで拭きながらドライヤーを当てる。 「そういえば、お前制服は? あっちの学校の持ってきたのか?」 「あぁ、あっちではもう卒業してるから、こっちの制服用意してもらったよ。」 「ふーん・・・ん? 卒業って?」 「あぁ、向こうは飛び級できるからね。 もう乾いたから良いよ。 つーくん、ありがと。」 「え?」 タオルとドライヤーを持って、ウォルフは片付けに行ってしまった。 「・・卒業したって・・・アイツ。」 テーブルの上の紙袋を開けると、クロワッサンのバターの香りがフワッと香る。 香りに刺激された、翼のお腹が鳴った。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「・・・新学期ってさ、確かに休み前と違う事があるけどさ・・・。」 「一つ言えるのは、この状況はオレらにも影響が出るよな・・・。」 「そうだね・・・。これは良くない・・・。」 学校に着くと、昨日 ホテルに来た男の話題で持ちきりだった。 ヒソヒソ あの子、蒼の王子と二股? ってか、あんなのどこが良いわけ? ヒソヒソ・・ 金髪の彼「公爵」らしいよ!!  まだ、15歳って本当か?? ヒソヒソ・・・ さっき、車で登校してきたんだけど・・・ まじ!前に蒼の王子に送り迎えされてたんじゃん。 「なぁ・・・ハル。オレ、今日は学食でいいかなぁ。」 「・・・奇遇だね。僕も学食にするつもりだよ。」 思わず、ため息が二人から漏れた・・・。 ーその頃   「えー、皆さん。今日から1ヶ月このクラスに交換留学生として、姉妹校から来たエゼルウルフ・アーサー・エッツォさ・・・君だ。彼の身分等はここの学園の者なら、知っているかも知れなが・・・。」 先生を遮り、ウォルフがクラスメイトの前に立つ。 「先生、僕からいいですか? 皆さん、はじめまして。エゼルウルフ・アーサー・エッツォです。けど、長いから、ここにいる間は、好きに呼んでもらっても構わない。ここでは皆さんと同じ学生なので。よろしく。」 ニッコリ ま、眩しい・・・。 ウォルフの用意した車で登校した時、アイツ同じクラスって言わなかったから違うのかと思ったけど。 しかし・・・・ 何この空気?? ウォルフのキラキラした空気と相馬の方から・・・な・・なんか、冷たい空気が・・・。先生の顔、半分青いよ?!  「あ、青桐くん。彼の世話役は生徒会でお願いね。」 ビッシッ!!!! ひぃ!!!空気が・・・。これから1ヶ月大丈夫なのかな・・・。

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