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猫何匹?

「・・・何? 」 視線に気がついた朝比奈の口調が少しキツイ。 その事を気にせず、伊集院は生徒会室に向かって進み始める。 「別に。 ただ、君も人間なんだなぁ・・・って思っただけ。」 涼やかな顔で、先を歩き始めた伊集院の横顔はまるで陶器人形の様に見えた。 ・・・ってか、あんたの方が人間には見えねぇっての。 伊集院の背中を思わず睨みつけいると、後から頭を撫でられる。 「何、してんだ? 行くぞ?」 「・・・ってか相馬もこの手、何?」 頭を撫でていた手を掴みながら、相馬を見上げる。 「・・・悪い。つい。」 掴まれた手を思わず、相馬も見る。 その様子に、朝比奈は少しうんざりした。 はぁ・・・。本当こいつら、何なんだ。 ・・・・・・・・ 「僕の知らない事を教えてほしい」 そう、伝えた相手は電話口で楽しそうに笑ったのが伝わってきた。 「それって、どう言う事かな? 」 「・・・とぼけるなよ。 僕に何をして欲しいんだ?」 「察しの良い人とは仲良くなれそうだ。」 昨日、病室の外で黒服の男から、渡されたカードに書かれて居た番号とメッセージ。 翼くんの話と僕の足の事。 『答えが知りたいか?』 答え? そんなものがあるのか?  そう思いながらも、部屋をでた後に連絡をしていた。 翼くんが、手術を勧めてくる理由がわからなかった。 確かに、このままの状態で陸上を続ければ選手としては結果も残せない所か、走る事が出来なくなるだろう。けれど、手術後リハビリ次第で陸上選手として走り続ける事は出来る様になるが・・・、早くても一年。  それなら、今のままでも自分は良かったし、少しでも近い場所で見ていたかった。 最初は、ただのお調子者だと思っていた。 中等部の頃から、グランドで見かける事はあったが一度も同じクラスになる事もなかった。 話す事なんてなかった。 それでも、目に、耳にあいつの事が入っていた。 中等部で、相馬と青の王子、赤の姫とか言われた所為で、僕自身に変な事を考える奴は減った反面、周囲には相馬とカップルだとも思われていた。 あいつにも、一度か聞かれた事があった。 あれは、クラス発表を見た後初めて、黄瀬とちゃんとした会話をした。

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