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猫何匹?(2)
あれは、クラス発表を見た後初めて、黄瀬とちゃんとした会話をした。
「しっかし、あの青桐相馬があんな風に、他人に絡むなんて珍しいな。」
「そうだね。相馬があんな風に絡むなんて・・・。よっぽど彼を気に入ったのかな。」
面白そうに思わず笑うと、目を丸くし変な顔で黄瀬は固まった。
「シュガーエンジェル・・・。」
「・・・オイ、その呼び名。止めろよ。」
砂糖の様に甘い笑顔だか・・・綿菓子の天使の様なかわいさだとか・・・。子役の頃のキャチコピー。成長と共にそう呼ばれる事が苦痛になったキャッチコピーを言われ、思わず顔から猫が逃げる。
「!! おっと・・・、そっちが素か?」
「だったら何? イメージが崩れたとかいわれても、オレは関係ないけど?」
「・・・いや、別にイメージが崩れたとかは無いけど・・・」
「じゃあ、何だよ。」
思わず、黄瀬を睨んでしまう。
プッ
「なんか、ハルって面白いな。」
そう言って笑う、口元から八重歯が覗く。
人懐っこい笑顔に、思わず呆気にとられる。
「な、名前で呼ぶなよ!!」
「えー、もう友達じゃん。オレもリョウって呼んでいいし・・・って、そっか。
彼氏に悪いか・・・。」
「はぁ? 彼氏って誰がだよ。」
「あれ? 違うのか??? 」
「何?相馬の事、言ってんの?」
「それ以外にいるのか?」
「はぁ?!! そんなの居るかよ。」
思わず興奮しながら、黄瀬に噛み付く朝比奈に収まりかけていた笑いがまたこみ上げる。
「ちょっ・・・ハル。お前、面白すぎるわ。」
笑いすぎて涙目になりながら、朝比奈の頭を撫でる。
小さい子にやる様な感じで頭を撫でられて、だんだんと顔が赤くなる。
「な、何すんだよ!!」
「あ、わりー。妹に良くやってたから、つい。」
「セットが乱れるだろ!」
黄瀬の手を払い除ける。
それでも、笑っている黄瀬に朝比奈も毒気を抜かれる。
「はぁ、なんかもう良いよ。リョウ、これからよろしくね。」
「ああ、ハル。よろしくな!」
人懐っこい笑顔で、リョウが手を差し出してくる。
その手を取ると、力強く握られて朝比奈がバランスを崩してしまう。
「おっと・・・大丈夫か?」
黄瀬に抱き留められた事に、気がついたのは心配そうに顔を覗かれた時だった。
「だ、大丈夫だから!!」
真っ赤になりながら、離れるがその拍子に後ろに転びそうになる。
「あ! オイ!! あぶっないって・・・!!!」
咄嗟に助けられ、結局黄瀬の腕の中に収まってしまう。
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