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病室(2)

「・・・はぁっ・・・!! 一体何が・・・。」 朝比奈の目の前に、茶色の小瓶が置かれる。 「・・・これは?」 「今、君が口にした物だよ。」 「・・え?!」 「数滴で、数時間。 体の自由が効かなくなる。 これを試合前に飲ませて欲しい。」 「ちょっ・・・、副作用とかあるのか?」 「ああ、そんな物ないから安心して。それに、君が飲んだ速攻性の解毒剤もあるし。」 「!!!」 出された、紅茶とケーキを見る。 味の変化などは一切無かった。口に入れ、飲み込んでから急に体から力が抜けた・・・そんな感覚だった。 「・・・解毒剤はくれないのか?」 「ああ、別に無くても時間が経てば抜けるからね。試合が終わるまで大人しくしていてくれれば、いいんだから必要ないだろ?」 「けど・・・何かあったら・・・。」 「僕に連絡くれれば、いいんじゃない? 僕も、その試合見に行くしね。」 「・・・判った。」 そう言って、朝比奈が小瓶を手に取る。光に照らすと中が透けて見えた。 ・・・結構、量入ってるな。 数滴と言う割に、小瓶の中半分の液体が入っていた。 「くれぐれも、試合の日前に飲ませない様にね。 出ないと、計画がダメになってしまうからね。」 「ああ。わかってる。」 「そう・・・。頑張ってね。」 ポケットにしまうのを見届けて、ウォルフが紅茶に口をつける。 朝比奈が病室を出て行ていくと、朝比奈の残したケーキを黒スーツの男が齧りながらウォルフに聞いた。 「御坊ちゃん、結構な量あげたけど本当に良かったんですか?」 「・・・お前こそ、よく食えるな?」 「ああ、別に先の方に一滴しかかけてないからね。 あの手の子は、先っちょから食べるんだよねぇ〜。」 「・・・・。」そうじゃないけど・・・面倒だな。 「んで、御坊ちゃまの本当のお願いは・・・、あの量飲ませる事ですかね?」 ニッコリ 否定も肯定もしない笑顔で、自分に用意された紅茶に口をつける。 「いいんですか?」 「ああ、楽しみだな。」 そう、一言呟き紅茶だけを飲むウォルフと同じ様に黒スーツの男も朝比奈の残した紅茶を飲むと、ウォルフと同じ様に黒スーツの男も朝比奈の残した紅茶を飲んだ。

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