6 / 8
第6話
手のひらで包んだ彼自身を緩く擦ると途端にその硬さを増した。すっかり勃ちあがった彼の鈴口から溢れた透明な雫を舌先で拭って、そのまま口に含む。納まりきれない熱い塊に浮かぶ血管に舌を這わせ、喉の奥へと飲み込んだ。
熱心に彼自身を舐めているうちに、気づけば私も自分の花茎を扱いていた。口の端から溢れた唾液と彼の先走りが混ざり合い、じゅぷじゅぷと淫靡な音が空気を震わせる。その音に合わせて自分の粗い鼻息と共に、もう一つ、ある音が耳に届く。
「……う、ぁ……、んん」
彼の喘ぎ声――。
それは私の行為に拍車をかけた。激しく彼の性器を吸い上げ頭の動きも早める。自身の花茎を握った右手にも力を込め、粘着質なその音を奏でているのが私の口元からなのかそれとも股間からなのかもわからなくなるほどに夢中になった。
「くっ、うあ、……あぁ」
彼が唸り、私の口腔に白濁が迸る。それを全て嚥下すると私の花茎も大きく爆ぜた。射精の余韻に浸りながらも急に頭が冷めて、慌てて彼と自分の服を元に戻すと部屋から逃げ出した。
彼から翌日、「酔って正体を無くしてご迷惑をおかけしました」と謝罪の電話があり、少し残念な思いもありながらも私は、昨夜の行為が彼に知られていないことに胸をなで下ろした。
ともだちにシェアしよう!