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第4話
「最近まで平気で全裸でウロウロして、気持ち悪いから服着ろよ!て注意したらようやく服着てますし!食事中にもセックスの話しを平気でするし!アホなんです、兄貴!」
「え、あ、うん」
言葉がない。
「パッと見は美少年なのにね」
取り繕うと、
「全然です!ハルさんの方が100倍美人です」
そう捲し立てると恥ずかしいのか頬を染める。
「び、美人...?」
女顔っちゃ女顔ではあるし、ネコでもあるが...初めて美人、と言われた。
「はい!抱かれてる時のハルさん、とてもセクシーですし...実物も美人で、そ、その」
「え、あ、うん...?」
「ハルさん見ていたら勃起しちゃいました」
「えっ」
「きょ、今日、泊まっていきませんか」
「い、いや、友達も数人来ているし...」
ついでに彼氏も。
「また遊び来るから」
そう言って、俺は彼氏、達哉や彼の兄貴、悠人の部屋に戻った。
「随分、遅かったな」
「あ、ちょ、ちょっと迷っちゃって」
親が医者なだけあり、豪邸ではある。
3人は相変わらず、テレビゲームに夢中だ。
「あー、いつも1人でゲームしてるから面白いー!もう、今日泊まってよ!」
悠人からまさかの声。
「俺、明日、仕事なんだよなあ、瑞希はオフだろ?泊まったら」
「えっ?いいよ、俺は。ゲームしないしさ」
「瑞希さんにも聞きたいことあるし、泊まってってくださいよお」
「...聞きたいこと?」
「ゲイビで売れっ子になる秘訣。俺もせっかくだし売れたいもん!」
「...なんの為?」
「ゲームの新作って次々に出るから、お金かかるんですよね!てか、店ごと買いたいくらい!」
かなりなおバカな話しをしながら悠人は満面の笑みだ。
「秘訣はさっき教えただろ」
「よくわかんないんで、また教えてください、俺、なんでか親から小遣い、貰えないから」
変な理由で悠人は焦っているらしい。
なかなか見た目によらず悠人は面白い、というか少しアホな気がする俺だった。
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