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第5話
広いキッチンにカウンターテーブルもある、ダイニングテーブル。近くには豪華なソファ、畳の和室がある。
「さあ、みんなたくさん食べて」
お母さんに勧められ、これまた豪華な料理の数々を眺めた。
「い、いただきます」
ゲームしていた悠人に聞いたが、弟は寛人、家族からはヒロ、と呼ばれているらしい。
お父さんとお兄さんはまだ帰宅していない。
みんなでお母さんの作ったご馳走を頂いた。
俺も料理が好きで趣味でもあるが、かなりの腕前だ。
「お口に合うといいんだけど」
「とても美味しいです」
「良かった、食べたらみんなお風呂を溜めているから、ゆっくりしていってね」
お母さんが俺たち、何故か特に俺を見て優しく微笑んだ。
悠人がガツガツ食べている。
ヒロは無言で大人しく、俯いて食事。
何処と無く、16にしては落ち着いた雰囲気だ。
悠人と残り2人はすっかり意気投合し、3人で風呂に入りに行った。
必然と俺、ヒロ、お母さんの3人になる。
「お布団も用意してあるから。寛人の部屋に4人は狭いでしょう」
「あ、ありがとうございます」
3人は風呂を上がると、ジュースを持っていき、ゲームの続きしようぜ、と部屋へと向かう。
「じゃ、じゃあ、俺もお風呂お借りします」
「部屋着も用意してあるから、寛人に預けているから受け取ってね」
にっこり優しく微笑まれた。
とても優しそうなお母さんだ。
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