6 / 69

第6話

何故か知らないが、俺はヒロの部屋で寝る事になった。 ヒロのベッドの下には布団が敷いてある。 ゲーム三昧でうるさい悠人の部屋も落ち着かない。 お母さんの用意してくれたパジャマは何故かピンクに白のハートの水玉模様。 戸惑う俺をよそに、ヒロはとても嬉しそうだ。 「ハルさん、こっちにおいで」 緊張が解れたらしいヒロにベッドに手招きされる。 確かに俺はバリネコだが。さすがに高1に抱かれるのは... しかも、なんだ、この女物みたいなパジャマ。 「そうだ、喉乾いたでしょ。飲み物、持ってくるよ」 ヒロは部屋を出ていくと、たくさんのビールやつまみを持って、戻ってきた。 飲まなきゃやってられない。 俺はビールを片っ端に飲んだ。 ヒロは俺の出演した作品をスマホで見せ、あれこれと感想を話す。 すっかり酒で麻痺した俺は2人でリサーチも兼ねて動画を見た。 ファンからの意見はこれからの参考になる。 「この旅行先のカップルみたいな作品もいいよね、私服でのデートシーンのハルさん、可愛いし」 「瑞希でいいよ、ヒロ」 「ホントに!?」 ビール片手に言うとヒロは嬉しそうに微笑んだ。

ともだちにシェアしよう!