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第6話
何故か知らないが、俺はヒロの部屋で寝る事になった。
ヒロのベッドの下には布団が敷いてある。
ゲーム三昧でうるさい悠人の部屋も落ち着かない。
お母さんの用意してくれたパジャマは何故かピンクに白のハートの水玉模様。
戸惑う俺をよそに、ヒロはとても嬉しそうだ。
「ハルさん、こっちにおいで」
緊張が解れたらしいヒロにベッドに手招きされる。
確かに俺はバリネコだが。さすがに高1に抱かれるのは...
しかも、なんだ、この女物みたいなパジャマ。
「そうだ、喉乾いたでしょ。飲み物、持ってくるよ」
ヒロは部屋を出ていくと、たくさんのビールやつまみを持って、戻ってきた。
飲まなきゃやってられない。
俺はビールを片っ端に飲んだ。
ヒロは俺の出演した作品をスマホで見せ、あれこれと感想を話す。
すっかり酒で麻痺した俺は2人でリサーチも兼ねて動画を見た。
ファンからの意見はこれからの参考になる。
「この旅行先のカップルみたいな作品もいいよね、私服でのデートシーンのハルさん、可愛いし」
「瑞希でいいよ、ヒロ」
「ホントに!?」
ビール片手に言うとヒロは嬉しそうに微笑んだ。
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