9 / 69

第9話

お母さんから2人きりのときに聞いたことです。 お母さんはヒロから俺のことを聞かされていたそうです。 俺の大ファンだと言うこと、そんな大ファンの俺が初めて遊びに来た日も、大好きなハルさんが来てる!と興奮気味に、また嬉しそうにお母さんに話した、とのこと。 引きこもりなヒロが明るくなった、とお母さんは嬉しそうです。 そうこうしていたら、ヒロがお風呂から上がって来ました。 先にお風呂を勧められていた俺は3人で食事です。 お母さんは料理上手で、とても美味しい。 「僕も料理が好きで得意な方ではあるんですが、とても敵わないです」 「そうなの?以前、自宅でお料理教室をしていたからかしら」 「凄い!先生だったんですね!だからかあ」 ヒロも仲良く話す俺とお母さんに嬉しそうに食事をしています。 そんなときでした。 「ただいまー」 大学生くらいの男性が入って来ました。 「風呂、沸いてる?」 「溜まっているわよ、上がったら、海斗も食事になさい」 お母さんはそう言うと、 「長男の海斗。大学2年なの」 「そうなんですか」 どうやら、海斗さんは医大のようです。 お父さんと同じく医者になる予定なんでしょう。 お父さんとはまだ会ったことはありません。 「あの人はなにかと忙しい人だから」 涼しい顔でお母さんが言いました。

ともだちにシェアしよう!