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第9話
お母さんから2人きりのときに聞いたことです。
お母さんはヒロから俺のことを聞かされていたそうです。
俺の大ファンだと言うこと、そんな大ファンの俺が初めて遊びに来た日も、大好きなハルさんが来てる!と興奮気味に、また嬉しそうにお母さんに話した、とのこと。
引きこもりなヒロが明るくなった、とお母さんは嬉しそうです。
そうこうしていたら、ヒロがお風呂から上がって来ました。
先にお風呂を勧められていた俺は3人で食事です。
お母さんは料理上手で、とても美味しい。
「僕も料理が好きで得意な方ではあるんですが、とても敵わないです」
「そうなの?以前、自宅でお料理教室をしていたからかしら」
「凄い!先生だったんですね!だからかあ」
ヒロも仲良く話す俺とお母さんに嬉しそうに食事をしています。
そんなときでした。
「ただいまー」
大学生くらいの男性が入って来ました。
「風呂、沸いてる?」
「溜まっているわよ、上がったら、海斗も食事になさい」
お母さんはそう言うと、
「長男の海斗。大学2年なの」
「そうなんですか」
どうやら、海斗さんは医大のようです。
お父さんと同じく医者になる予定なんでしょう。
お父さんとはまだ会ったことはありません。
「あの人はなにかと忙しい人だから」
涼しい顔でお母さんが言いました。
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