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第21話

ヒロの家族の一員になり、日々は過ぎていく。 お母さんと趣味でもあった料理をしたり、たまに教わることもある。 家事は大変だけど、ヒロとの喧嘩もなく、大事にされ、充実な日々だ。 1人で泡風呂のジャグジーに浸かり、有意義な時間。 ウィッグも外し男に戻り体も気持ちも解放された気分。 湯船の中で腕を擦りながら、あれ? 何となく胸が微かに膨らんでいるような.... 胸を撫でた。 ついついお母さんと付き合い、お茶菓子を食べながらお喋りに花を咲かせてしまうから太ったのかも...。 ヒロと付き合い始めてからは筋トレもしていない。 「...ダイエットしなきゃ」 お風呂を上がり、頭や体を拭いていると、次にお風呂の順なのか、ヒロが立ってた。 全裸で男の俺にヒロがにっこり微笑み、部屋着と下着を渡してくれた。 見てみると、薄い水色のスウェットにピンク色のボクサー。 「いつも大変でしょ。今日は男の姿で楽にして」 その言葉に、優しいな...と俺は痛感した。 「ありがとう、ヒロ」 「たまにはウィッグも外さないとキツそうだから」 そう言い残し、ヒロはお風呂へ。 俺は久しぶりに男に戻った。 ヒロの部屋に入るとついつい冷蔵庫を開けてビールを飲み、脚を開いて座る。 だが、やっぱり楽だ。 テレビを見ていたら、ヒロが部屋着で頭を拭きながら入ってきた。 「なにか面白いテレビやってんの?」 タオルを首に掛け、俺の背後に周り、後ろから抱きついてくる。 「んー、テキトーに付けただけ」 「ふーん、俺もなんか飲もっと」 ヒロは冷蔵庫を開けるとアクエリアスをグイグイ飲んだ。 この夜は男の姿でヒロに抱かれた。 「ねえ、瑞希」 「うん?」 ベッドで2人、セックスの余韻に浸っている。 年柄もなく、ヒロは俺を腕枕。だが、年齢よりしっかり者なヒロにそうされて、違和感を感じなかった。 ヒロが不意に俺の髪の毛を掬う。 「髪、伸ばしたら?」 「えっ、髪?」 「伸びるまでウィッグしてさ。そしたら楽じゃない?ウィッグって大変そう」 確かに手入れもあるし頭も蒸れるし大変だ。 暫く悩んだ。 「...そうだね、そうしようかな」 自分のまあまあ男にしては長めの髪を撫でた。

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