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第51話

勉強机で熱心にテスト勉強に取り組んでいたヒロが、おかえり、と明るく俺に声を掛けました。 「ただいま」 ヒロに気づかれないように、こっそり、自分の財布を手に取り、後ろ手に隠します。 「どうしたの?瑞希」 「う、ううん。お母さんの夕食の後片付け、手伝わなきゃ」 まさか、悠人に金を貸す、と知れば、アホ兄貴、とヒロが称する悠人です。 悠人をしばきかねません。 「テストが終わったらデートしようね、瑞希。何処に行きたい?」 邪気のないヒロの笑顔。 「うーん、...わからない」 「行きたいところ決めておいて?気になるところとか。俺もリサーチしておくし」 嬉しそうな笑顔のヒロの頬にキスしました。 ヒロは即座に俺の唇に可愛い口付け。 「じゃ、勉強頑張ってね」 「うん」 ヒロの部屋を出ると、悠人の部屋へ。 ゲイビ時代の金もあるし、今も作品は出回っていて、その一部は未だ、俺にも入ってきてはいます。 「で、幾ら」 「い、1万、あ、いや、2万」 仕方なく財布から2万を取り出すと悠人に渡しました。 「必ず返すから」 悠人はそう言い、俺からの2万を受け取りました。 その後、お風呂を上がった俺は黒に赤い薔薇が施されたセクシーな下着。 谷間を見せつけるような胸元は大きく開いたトップス。スリットで太ももが見え隠れするミニのタイトスカートで、お父さんの部屋の前にいました。 細い脚はゲイビ時代から自慢です。 赤い艶めいたルージュを塗り、誘うような出で立ちでお父さんの部屋をノックしました。

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