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蒼華学園②
一宮家を追い出され、朔月の従者となった鈴真は、朔月が養子として引き取られた神牙家に世話になっていた。
朔月の義理の両親は鈴真の事情を知っているが、鈴真のことはあくまで朔月の従者として扱い、必要以上に関わることはなかった。
ただ、鈴真が従者らしく朔月の身の回りの世話をしたりすることはなく、また朔月も鈴真に従者らしい態度を求めることはしなかった。
鈴真には、朔月が考えていることが理解できなかった。てっきり、ずっと朔月に厳しく当たっていた自分に復讐するために、わざわざ従者にしたのだと思っていた。けれど、朔月は鈴真に対し、昔自分がされていたように従者として扱うような真似は決してしない。
そんな朔月を皆が素晴らしい主人だと言うけれど、それが彼の表向きの顔に過ぎないことを、鈴真は知っている。
鈴真は、たまに朔月がとても怖くなることがある。本人には絶対に言わないけれど。
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