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※すれ違い③

 朔月は鈴真に口付けながら片手で彼のネクタイを器用に解く。そのままシャツを無理やりこじ開けて、鈴真の胸の尖りを指先で弄んだ。 「んっ……く……」  鈴真は声を我慢しながら、身体の力を抜いた。このままベッドでしようかと思っていたが、気が変わった。風羽に見せつけてやる。  朔月は背後のドアがわずかに開いたままになっていることを確認し、鈴真の身体に舌を這わせながら下腹部をまさぐった。 「あっ……!」  堪えきれずに声を漏らした鈴真は、ズボン越しに触られただけで勃っていた。しばらく鈴真の身体を手と舌で愛撫していると、彼の手が朔月の背中にきゅっとしがみついた。もどかしげにもぞもぞと太腿を擦り合わせている。 「何? もう我慢できないの?」  鈴真は唇を噛みしめて恥ずかしそうにそっぽを向いた。 「こっち来て」  朔月は鈴真の腕を掴んで起き上がらせ、ベッドの横に備えつけられたサイドテーブルに彼の手を突かせる。そして下着ごとズボンをずり下ろし、窄まりに指先を当てた。 「ひっ……! さ、朔月……?」 「今日はこのまましようか」  鈴真はドアが開いているのに気付いたらしく、こちらを振り返って首を横に振った。 「い、嫌だ……」 「駄目だよ。お仕置きだって言ったでしょ」  言いながら、ゆっくりと窄まりに指を埋めていく。鈴真はテーブルに肘をつき、尻を突き出した恰好で息を喘がせた。 「あ、ぁ、は……」  気持ちよさそうに息を吐き、尻尾をうねらせる鈴真に、彼の言葉と違って身体は素直だな、と思った。  それから時間をかけて中をほぐし終えると、朔月は熱く昂った自身を鈴真の中に侵入させた。 「んっ……!」  二回目の交わりは、最初の時よりもスムーズだった。だが朔月が腰を打ちつけると、鈴真はまた拒絶の言葉を口にし始めた。 「う、ん、いやだ……っ」  まだ理性がどこかに残っているのか、鈴真は快楽に抗うように嫌だ、やめろと繰り返す。それを聞くのが嫌になって、朔月は鈴真のものを慣れた手つきで扱いた。鈴真の感じる箇所は知り尽くしている。予想通り、彼は呆気なく果てた。そのまま朔月に前も後ろも責められ続けた鈴真は、何度も絶頂を迎えて先端から白濁をこぼす。

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