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第3話
「くす。まあ今は信じなくてもいいよ。それより早く行かないといけないよね。」
チラっと腕時計を見ながら言う。
あぁ、そーだな、と言いかけたところで目の前が暗くなる。
「先輩、さっきの話はまた今度じっくりとね。」
耳元で囁くように言われて一瞬だけドキっとした。
いやーーードキって何!?
てか見た目が(女だったら)好みのやつに言われたら誰でもドキっとするだろう!?
しかも男のくせに何かちょっと甘い声?だし。
よくわからない感情に囚われつつ荷物を持ってオフィスを出た。
◇◇◇◇◇◇
居酒屋に着くと、課長やら他の上司たちが待ちわびていた。
なにせ、今日の主役がいないんじゃ始められないし。
「西園寺、遅かったな。仕事は大丈夫だったか?」
課長と主任の隣へと促された西園寺は荷物を置きながら、シレっとウソをつく。
「すみません。僕がミスしちゃってて、宮内先輩に直してもらってました」
何だよ。その出来すぎた嘘は。
課長と主任の前には、大垣先輩と山下先輩(大垣先輩のさらに先輩)が座っていて、俺はその隣(西園寺の前)に座らされた。
人付き合いもあまり得意ではなく、正直この席は苦痛でしかない。
「ふぅん。2年間、後輩いなかったけど、しっかりと先輩になってるんだな」
課長が俺を見ながらニヤニヤと笑う。
あー! ホント、マジこの席は最悪。
西園寺がどうだかわからないけど、酒に弱い俺はこの酒豪たちに囲まれているのも地獄のようだ。
◇◇お知らせ◇◇
今回もまた間空いてしまいましたが、読んで頂きありがとうございました!!
この話から1話の文字数を減らしていこうかと思います。
2話までの半分か半分ちょいくらいになるかな。
のんびり更新ですが最後までお付き合い頂けたら嬉しいです!
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