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第4話

暖かいココアでも、と思ったが、甘ったるい物がさすがになく、コーヒーを煎れてやり、ミルクポーションとスティックシュガーを添えた。 それぞれ3つ、ミルクポーション、スティックシュガーを全部、彼は入れてティースプーンで掻き混ぜた。 俺もスティックシュガーを1つ入れて、話しを聞く事にした。 彼は近くの私立のおぼっちゃま高校の1年。 名前は圭。 「へえ、俺と一文字違いか、俺は健。美容師、始めて3年、21」 コーヒーを片手に、幾分、落ち着いた感じの圭を見て言った。 「で、失恋した、て好きな女の子に告って振られたとか?女は星の数ほどいるんだし、そんな落ち込むことないよ」 俺が笑顔を見せると圭がカップを置いた。 「...女の子じゃありません。男です」 あ、と俺は固まった。 「先輩に告って、付き合っていました。2カ月ほど。別れてくれ、て言われました。おかしいな、とは薄々は気づいてはいました」 「...どういうこと?」 「よく先輩は学校のマドンナ的な女の先輩と一緒にいるな、て。先輩、俺が告る前からその先輩と付き合っていたんです」 「...女の先輩と二股かけられてた、てことか」 無表情の圭が無言で頷きました。 「先輩は女だから、セックスの時はゴム付けなきゃいけない。妊娠したらまずいから。俺となら、生で中出しできるから、だから、俺と付き合い始めた、て....」 途端、また、圭の目が潤み始めた。 「...僕、先輩が初体験だったのに」

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