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第8話
朝。
昨晩、いきなり容赦なく、見た目によらないデカチンでガン掘りされ、腰を擦りながら、朝食の支度の為に俺はキッチンに立った。
「...おはようございます」
いつの間に、制服に着替えたのか、ほぼ俺の真後ろに圭が真顔で突っ立っていた。
「...朝食、もうすぐ出来るから、座ってな」
圭は無言でリビングにあるテーブルを前に正座した。
ケツが痛むので、ごく簡単な、トースト、サラダにスープ。
「いただきます」
一緒に手を合わせ、食べた。
「...昨日は突然、すみませんでした...下手くそでしたか、僕...」
初めてだし、仕方ないよな、と思いながら、俺はなんてことなさそうに、トーストに齧りついた。
「大丈夫。慣れてっから、俺」
彼氏の祐介とやるときは前戯があるし、次の日に痛みを伴う事はないが、致し方ない。
「少しは気は紛れた?」
俺が圭を見て尋ねると、何処となく遠い眼差しの圭の瞳とぶつかった。
「...そんなつもりでした訳じゃありません、僕....」
意味がわからず、俺は固まってしまったが、出勤もあるし、圭も学校だろ?と促した。
「また来ていいですか?」
圭に尋ねられ、俺はしばらく悩んだ。
学校に行けば、必然と二股していた先輩と会うことになるだろう....。
彼氏の祐介と鉢合わせしたらいけないので、来る前に連絡して、と連絡先を交換し、俺と圭は一旦、別れた。
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