10 / 20
第10話
2人でいつものように全裸に薄い掛け布団を羽織り、ピロートーク。
付き合い当初はいつまでもベタベタしていたが、3年も経つとそれは無くなった。
悪くはない。空気みたいな存在。
俺はふと、昨日、失恋したばかりの圭が過ぎった。
担当するなり大泣きされ、抱いてくれ、とせがまれ、結局はあいつの童貞をもらってやった。
俺の中ではかなりのインパクトだった。
LINEを開くが、圭からのLINEはない。
「ビールある?」
「冷蔵庫にあるよ」
祐介がベッドを降り、キッチンに向かうまでにスマホが光った。
圭からだった。
「今から行っていいですか...?」
小声で読み上げた。
しばらく悩んだが、俺は寝転んだままで返信を打った。
ともだちにシェアしよう!