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第11話

次の日の仕事終わり。 待ち合わせ場所の本屋の前でぼんやりしている圭に駆け寄った。 「お待たせ!昨日は悪かったな、人来てたからさ」 「...彼氏さんですか?」 「まあ、そんなとこ」 並んで歩き始めた。 「...やっぱり目立つな」 「え」 「いや、制服姿の高校生と歩いてたらさ、しかもボンボンの学校だし」 「...脱ぎましょうか」 「へ?い、いや、いいよ」 相変わらず表情に乏しい圭。 「...昨日、どうだった?失恋直後だったろ?」 「....やっちゃいました」 「へ?」 「せがまれて....体育倉庫でやっちゃいました」 「...振られたのにか」 俺は呆れながら無表情の圭を見た。 「なんだか断りきれなくて...あれは冗談だ、て優しくされたら...」 「まんまと騙されてるだけだろ」 「わかってはいます。...お兄さんの家、行っていいですか」 うーん、と悩み、 「こないだみたいにいきなりやんない、て約束してくれたら」 「わかりました。無理やりしません」 そうして、圭は再び、俺の部屋へとやって来た。

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