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第13話
「...俺、彼氏いるけど。同じく美容師の」
「安心してください、邪魔はしません。もし鉢合わせしたら、僕は弟のふりをします」
「...なんで俺なわけ」
真っ直ぐな黒い瞳が間近に迫ってきて、ドキ、とした。
「...何となく、お兄さんといたら先輩を忘れられそうに感じます」
「...俺、高校生に興味ないんだけど」
「構いません。お試しでいいです。付き合ってください」
まじまじと俺の目から離さず、凝視したままの黒い瞳。
頬を見ると赤い....。
しっかりした物言いだが、緊張しているのがわかった。
「...また二股になっちゃうのに平気なの」
「お兄さんなら構いません」
何故か圭の息が荒くなってるな、と思いきや、いきなり押し倒された。
小柄で細身な筈なのに凄い力だ。
「い、いきなりはやめろ、て言っただろ」
狼狽えた俺に圭は馬乗りになる。
「この間のお兄さんとのセックスが忘れられません」
そう言うなり、圭は俺にキスしてきた。
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