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第17話

トントントントン....コトコトコトコト... 何処か懐かしい音が遠くで聞こえ、俺は目が覚めた。 ベッドから上半身を起こして不意にキッチンを見ると、制服の上に俺のエプロンを身につけた圭が朝食を作っているようだった。 小柄なその背中に暫し目を奪われる。 不意に圭が振り向いた。 「健さん、おはようございます。キッチンお借りしてます」 丁寧な口調で圭が挨拶をした。 「あ、う、うん、ありがとう」 圭の作ってくれた朝食を2人で黙々と食べた。 「...昨日、僕が言ったこと、覚えてますか?」 「...お試しでいいから付き合うとかいうやつ...?」 はい、と圭は箸を置いた。 「僕は本気です。嫌になったらその時、遠慮なく言ってください。その時はもう二度と健さんの前に現れませんし、連絡もしません」 真剣な表情を見据えた。 そうして、俺は祐介と交際を続けながら、圭とお試し交際をスタートする事となった。

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