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第2話 出会い

*********** 律が転校してきたのは、確か高1の2学期が始まって間もない頃だった。 「……○△高校から来ました、上條律(かみじょうりつ)って言います。  よろしくお願いします」 低くてちょっとかすれた声でそう言って、頭を下げる。 その瞬間、教室が黄色い歓声に包まれた。 あまりにも声が大きくて、思わず眉間にしわが寄ってしまう。 女子はみんな有名人と間近で会ったかのような反応をしていて、 「転校生があんな綺麗でかっこいい男子とかやばいんだけど……!」 「そこら辺のアイドルよりも断然かっこいいっ…!」 「同じクラスとか超ラッキーじゃん!」 なんて、口々にそんなことを言う 壇上に立っている彼を見ると、確かに綺麗な黒髪で綺麗な顔立ちをしていて、 でも、その瞳は何も映してなくて、どこか冷たい雰囲気が漂っていた。 (…かみじょう りつくん、か…  名前からしてかっこいいもんなぁ…) そう思って彼に視線を向けると、不意に  ぱちり。 と目が合った 思わず「…ッうわ、わッ…」と変な声を漏らしながら 勢いよく目線を下に向けてしまう。 (どうしようッ……今、絶対感じ悪かった……  …大丈夫かな……気になる…、けど…ここで顔上げるのも変だし……) そう考えながら、なかなか顔を上げられずにいると、 「はーい、これでHR終わるから一旦みんな静かにしろー  上條はあそこの空いている席な。  校内のこととかは、後で生徒とかに聞いてくれ。」 と先生が声を掛ける 席の近い女子が悲鳴にも似た歓声を上げていた。    

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