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第10話 王子様と俺のさらなる展開(3)

 そして事態はこんなことになっている。  俺はいまだに洗面所で立ったままである。立ったまま――いや、壁と王子様の腕に支えられて立たされている。王子様の器用な片手は俺の股間をズボンの上からそっと押さえつつ、俺のシャツを半開きにしている。チロチロと舌に乳首を舐められ、吸われて、俺は完全に参っている。舐められるたびに腰と股間とくるぶしと、つながっているなんて思いもしないところがビクビクするのだ。  どうせならこんな生煮えで炙るのはやめて、強火でパッと煮るなり焼くなりしてほしい。そう思ったときズボンがずいっと押し下げられ、膝下へ落ちていく。王子様の手が俺のボクサーの上をなぞる。ああ――俺は上を向いて息を吐く。絶妙な支え方で睾丸を下から持ち上げられ、布の上から亀頭をなぞられる。 「やっぱりビンビンですよ」  王子様は俺の胸をぴちゃぴちゃ猫みたいな音を立てて舐めながらも冷静な実況中継を続けている。「濡れ濡れだし。ウラシマさんの、キレイですね……お尻って経験あります? 女の子でもお尻攻め、するでしょ?」 「――ない……ないし、こっちで気持ちよくなれるのはわかったから――もういいって……」 「まだどこもイってないじゃないですか」  王子様の声が下から聞こえると思ったら、一秒後にはボクサーをずらされて咥えられていた。やばい、まずい、たまらない――俺の前に膝をついた王子様の頭が前後に動き、グチュグチュっと音が響く。温かい粘膜に吸いつかれて追い上げられる。やば――と思ったときは遅かった。俺はあっけなく爆発したが、王子様の口はくいくいと俺自身を吸い上げる。ぎゅっとつぶっていた眼をひらいて見下ろすと、上目遣いに俺をみつめるイケメンと視線があった。赤い舌が唇のまわりを舐めている。顔がぱっと熱くなる。と、王子様がいった。 「ウラシマさん、カワイイですね」  カワイイって――あの……  絶句したそのとき、尻のあいだを指で探られた。 「へ?」 「前は気持ちよくなれるのがわかりましたよね。今度はこっちで」 「待て、待って待って――」 「お尻の経験ないんでしょ?」 「だって俺その、あ、ひゃっ」  尻穴の周囲を指でなぞられておかしな声が出た。その時だ。  ピンポーン。  玄関の方でインターホンが鳴った。  王子様の手が止まった。 「だ、誰か来た――んじゃ……」 「宅急便ですかね」  王子様の声は冷静である。さすがは王子様――いやそんなことをいってる場合じゃない。俺は下半身むきだしなのだ。宅急便を受け取るあいだにせめてパンツを拾わせて。  情けない調子でそう願ったときだった。インターホンから声が流れた。 『貴元(タカモト)》? いるんだろう? 入るぞ』

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