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第4-2話秋空の下で
「さっき納屋のほうで七輪と炭を見つけたんだが、今からおやつを仕込もうと思う。真太郎も食べるだろ?」
「君は食のことになると仕切るな。もちろん頂けるなら喜んで」
「よし。じゃあ早速火を起こすとするか」
詠士が鼻歌を歌いながら早足で納屋へと戻っていく。七輪を使いたくて仕方がなかったのだろう。詠士もいい年をしたおじさんだというのに、こういうところは学生の頃よりも子どもっぽい。
すぐに納屋から庭へと七輪を運んでくると、詠士は上の網を取り、中に入れてきたと思われる炭へ火を点けようとする。
いつの間にあったのか、腰のポケットから取り出した丸めた新聞の一部にライターで火を点け、炭の間に挿し込む。すると次第に火が移り、炭の回りが赤い光を帯び始めた。
「さてと。真太郎、ちょっと火の番を頼む。俺は今から材料を仕込んでくるから」
「あ、ああ、分かった」
詠士が慌ただしく縁側へ上がり、家の中へと消えていく。
いったい何を作るつもりなのだろう?
きっと詠士のことだから美味しい物なのだろう。食に関しては、もう舌が信じ切っている。
待っている間、胸の中が軽く高揚して私の口元が緩んだ。
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