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第5-2話今日の夜は何をする気なんだ?

 詠士は何か面白いことを閃いたら、すぐにやらなければ気が済まない性格だ。  こういう腰の軽さが彼の強みであり、魅力だということはよく知っている。  ただ何を始めようとしているのか、さっぱり理解できない。  夜になれば分かるとはいえ、気になるところだ。  腰のほうがソワソワと落ち着かず、私は立ち上がって草むしりを再開させる。  しばらくして家の中からバタン、ガダン、という物音が聞こえてくる。  何か大きなものを動かしている気配がどうしても気になってしまう。  ……覗いてみたい。  いや、約束した以上は守らなければ。詠士は張り切っているようだから、途中で私に見られてしまっては落胆も一際大きくなりそうだ。しかし――。  頭の中で葛藤しながら草むしりを進めていく内に、家から音は聞こえなくなる。  そして詠士の足音と鼻歌が近づいてくる。ひょこり、と縁側へ出したその顔は、ついさっき顔を合わせた時よりもにこやかだった。 「真太郎、今から買い出しに行くから付き合ってくれ」  疑問形ではなく確定の言い方。よほど来てもらいたいらしい。  まるで子供がせがむような雰囲気に軽く吹き出してから、私は「ああ、分かったよ」と立ち上がった。

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