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第3-2話楽しみに敏感なのは

 含みを乗せた俺の言葉に真太郎が顔を赤くする。  鈍いようで察しがいいから、言葉で真太郎に戯れるのは楽しくてやめられない。 「……頼むから、そういうからかいは控えてくれ」」 「絶対にやめろとは言わないんだな」 「どうせ言ってもやめないだろ。君は昔から自分の言いたいことは我慢しないタイプだったから」 「分かっていてくれて嬉しいな。じゃあ遠慮しない。真太郎、今日も愛してる」」 「言ってるそばから……まったく……」  食事を楽しみながら、料理とともに談笑も堪能していく。  ――自分の楽しみに敏感なんかじゃない。  そうやって気を紛らわせる何かがなければ、真太郎と一緒にいられない日々を耐えられなかったんだと、俺は心の中で呟く。  食の道楽も、車も、仕事も。  すべて真太郎が隣にいないという現実を紛らわせるための手段だった。  それが今は真太郎を癒し、支えるための術になっている。  心の底から楽しいと感じられるのは、真太郎との生活を始めるようになってからだ。  俺も真太郎のことは言えないなと思いながら、今という時間を味わいながら楽しんだ。

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