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第5-2話無自覚の誘い
俺は唇を重ね、真太郎の口内を淫らに溶かす。
しっかりと舌を絡めながら上顎の敏感な所を愛でれば、真太郎から「んン……っ」と悩ましい声が零れる。
そうして真太郎の唇を堪能してから顔を上げると、うっとりと感じ入って蕩けた顔が俺の視界を挑発していた。
自分の胸が高鳴り、体が興奮を覚えていく。
こんな淫らに溶けた顔にできるのも、見ることができるのも俺だけだ。
俺を求めたくてたまらなさそうな気配に俺の顔が緩んでしまう。それでも頭の片隅で囁く声がする。
まだ足りない、と。
薄く開いた真太郎の唇を、俺は親指でなぞりながら囁く。
「日が明るい内は駄目なんだよな。夜まで待てるか?」
「……」
「仕事の途中だから、まだ我慢してもらわないといけないんだが……三時ぐらいから時間を作れる。どうする?」
「……」
「俺はできる限り真太郎の望みに応えたい。だが口に出して言ってもらわないと応えようがないんだが――」
「……日が高くてもいいから、君の時間が欲しい……」
消え入りそうな声で真太郎が呟く。羞恥で顔どころか首元まで赤くし、今にも涙がひと粒零れ落ちそうなほど潤む瞳に俺を映しながら。
ここまで俺と一緒に堕ちてくれた。
もっと堕ちていくことを望んでくれた。
頭の中が欲情に茹だっていくのを感じながら、俺は了承の口づけを交わした。
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