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第7-2話まだ教え込める所がある
独占欲とも悪戯心とも取れる高揚感が、俺の胸奥から湧き上がってくる。
一度手の平でゆっくりと真太郎の背を撫で下ろし、肌の感触を楽しむ。傷痕だらけでも滑らかだ。腰の方までいくと繋がり合った所を意識してしまうのか、中の締め付けが強くなる。
それから肩口や肩甲骨辺りの傷痕を目がけてキスを落とし、甘く歯を立ててみれば、
「ア……ッ……ふ、ぅ……ン……っ」
真太郎から小さな喘ぎが零れる。声を出すまいとして、手で口を覆っているのが見えた。
「こら、真太郎。ちゃんと声は聞かせてくれ。良い子だから……」
「……詠士、言い方……っ……あっ、ぅぅ……」
軽く不満を覗かせた真太郎のうなじを甘噛みすれば、素直な喘ぎが耳に届く。律儀に俺の頼みを聞いて口から手を退かしているのだから、可愛い以外の何者でもない。
しばらくは腰をゆっくりと揺らしながら、俺は真太郎の背中へ戯れる。
激しく攻めずともしっかりと俺を感じ取ってくれる体は、快感ゆえの火照りで次第に汗ばみ理性を手放していく。
「はっ、ぁ、ぁっ……ンん……ッ……あぁ……ッ」
真太郎に余裕がなくなっていくのが分かる。わずかに身をよじり、小首を振る仕草。込み上げてくる快感に呑まれ、溺れる間際に見せるささやかな理性の抵抗だ。
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