38 / 111

第8-4話確実に堕とすために

 逃しはしない。  俺は真太郎の中を前後に大きく揺らし、自らの昂りを頂きまで高めていく。 「……ッ、ぁっ、ぁあ……ッッ、アッ……ンぁ――」  肉壁の痙攣が止まらない。幾度となく快感の高みから飛び降りて、すぐにまた上り詰めてを繰り返しているのだろう。  腹の底から、今にも笑い出しそうな、号泣したそうな、なんとも言えない感情と感覚の塊がせり上がってくる。  ずっと俺が抱えていたもの。これを真太郎へ注ぐことができる。  キュウゥゥッ、と一際強く真太郎の中が締まる。それをこじ開けるように俺は最奥へ昂りを捻じ込む。そして、込み上がったものを吐き出す。 「……ッッ!」  今までの中で一番奥を強く貫かれて、真太郎が大きく息を引く音がする。  互いに強張って、乱れた息を再開させながら体を弛緩させていく。  そして俺は繋がり合ったまま、真太郎の背中を抱き続けた。  自分の鼓動が大きく弾け、俺の体内によく響く。  それが真太郎にも伝わっているのか、小さく笑いを含んだ息をつかれてしまった。 「……まったく……君という奴は……」  真太郎が少し首を上げ、俺の頭を撫でてくる。  いつも以上に力が抜けた手での愛撫。俺のワガママをすべて許し、受け入れてくれた証をもらえて俺の胸がひどく安堵する。

ともだちにシェアしよう!