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第8-4話確実に堕とすために
逃しはしない。
俺は真太郎の中を前後に大きく揺らし、自らの昂りを頂きまで高めていく。
「……ッ、ぁっ、ぁあ……ッッ、アッ……ンぁ――」
肉壁の痙攣が止まらない。幾度となく快感の高みから飛び降りて、すぐにまた上り詰めてを繰り返しているのだろう。
腹の底から、今にも笑い出しそうな、号泣したそうな、なんとも言えない感情と感覚の塊がせり上がってくる。
ずっと俺が抱えていたもの。これを真太郎へ注ぐことができる。
キュウゥゥッ、と一際強く真太郎の中が締まる。それをこじ開けるように俺は最奥へ昂りを捻じ込む。そして、込み上がったものを吐き出す。
「……ッッ!」
今までの中で一番奥を強く貫かれて、真太郎が大きく息を引く音がする。
互いに強張って、乱れた息を再開させながら体を弛緩させていく。
そして俺は繋がり合ったまま、真太郎の背中を抱き続けた。
自分の鼓動が大きく弾け、俺の体内によく響く。
それが真太郎にも伝わっているのか、小さく笑いを含んだ息をつかれてしまった。
「……まったく……君という奴は……」
真太郎が少し首を上げ、俺の頭を撫でてくる。
いつも以上に力が抜けた手での愛撫。俺のワガママをすべて許し、受け入れてくれた証をもらえて俺の胸がひどく安堵する。
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