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第9-2話同じ飢えを望みながら
いつもなら「年を考えろ。お互いに無理できる年じゃないんだぞ」と多少の抵抗が返ってくる。だが今日は真太郎から夜になる前の行為を望んでくれたせいか、まだ積極的に応えてくれる。
何度体を重ねても、また新たな一面が見える。
とことん俺に真太郎自身を見せてもらえる幸せに、顔が自然と笑ってしまう。
より敏感になった真太郎の体は、ひとつ俺が刺激を与えるごとに嬌声を漏らし、甘く震えて感じ入る。
繋がらずとも、よく悦ぶ所――乳首や耳が特に弱い――を甘く噛み、吸い上げるだけでも淡く達し、身悶えて俺が欲しいとせがんでくれる。
再び繋がればそれだけで大きく喘ぎ、あられもなく乱れてよがり、俺をどこまでも煽って止まらない。
ここまでしても俺の胸奥は満たされない。
……いや。満たされた直後には消えていき、すぐに飢えを覚えてしまう。
長年耐え続けてきたせいで、俺のどこかに穴が開いているのだろう。
決して埋めることができない穴。真太郎との日々を手に入れても癒すことが叶わない。俺を悦ぶ証と化してしまった真太郎の傷痕と同じだ。
死ぬまでこれと付き合わなければいけないのだろう。
――上等だ。それだけ俺は真太郎を求め続け、悦びながら生きられるのだから。
俺は腰の動きを大きくし、互いの昂りを高め、追い詰めていく。
大きく弾ける間際、真太郎に唇を重ねて口内でも睦み合う。
少しでも多くの快楽を。
俺と同じように、この日々に囚われてくれと切実に願いながら――。
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