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第3-1話熱々を召し上がれ

 なん、だと……?  そんなピザがあったのかと内心驚く私と、期待で目を輝かせる主真の前で、詠士は囲炉裏で生地を焼き上げていく。  パン生地の香ばしい匂いが辺りに漂い、否が応でも食欲をそそられる。  焼肉である程度は胃が膨れたはずなのに、早く食べたいと軽い飢えを覚えてしまう。  両面を焼き、軽い焦げ目がついた辺りで詠士は焼きを切り上げ、網から皿へと乗せ換える。  そして中央からナイフを入れて切り分ければ――白い湯気とともに、美味しくとろけたチーズとトマトソースが皿へ零れ、口にしたいという欲を強く煽った。 「うわぁ……美味しそう!」  素直に感嘆の声を出した主真へ、詠士は小皿に半分乗せたものを差し出す。満面のドヤ顔にウィンク付き。ここまで作れたら、年甲斐もなく調子に乗ってしまうのは仕方ない。 「熱いから気を付けて食べろよ。中に少しカボチャとかナスを洋風に煮た物も入れたから、野菜もしっかり食べてくれ。前はハンバーグとかに混ぜ込まないと食べてくれなかったもんな」 「小さい時と違って今はなんでも食べられるから。もう十八なんだし、子ども扱いしないで欲しいな」  苦笑しながら詠士から受け取ると、主真は息を吹きかけながらカルツォーネの切り口からかじっていく。

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