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第3-2話熱々を召し上がれ
はふっ、と。息を吐きながら口を動かし、にやけながら主真が食べていく。
だがすぐに体を硬直させ、まぶたを強く閉じながらバシバシと畳を叩き出した。どうやら熱さで悶絶しているらしい。
しばらくして主真の喉がゴクリと動く。
言葉よりも先に引きあがった口端と頬が、味の感想を告げていた。
「美味しいよ詠士叔父さん! すごくいい! こうやって半割りにすると手に持って食べやすいし、カボチャの甘みとか、柔らかいナスとかピザに合うよ!」
普段は感情を大きく見せない子なのに、いつになく声の抑揚が激しい。
それだけ主真が絶賛するのだから美味しいだろうと思っていたら、おもむろに詠士が残り半分のカルツォーネをわざわざ私の所へ運んでくれた。
「ほら、真太郎も。熱いから気をつけろよ」
皿から取り上げた熱々のそれを、詠士は私の唇が届きそうなギリギリの所まで持ってくる。
……詠士。しっかりと持てない私が落とさないよう、気遣っているのは分かる。
だがな。息子の前でアーンと口を開けて食べさせようとしないでくれ。
口に出して言えば主真が気まずい思いをしそうだ。
仕方なく私は無言で詠士に目で訴える。気づいたようで詠士は微笑みで返事をした。
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