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第4-2話日常の光景

 もう間もなく手持ちの物を食べ終えそうになった時、主真が声を出した。 「父さんたち、いつもそんな感じでやってるの?」 「い、いや。いつもは食卓で普通に食事しているだけだぞ」 「本当に?……詠士叔父さんの顔が、そうじゃないって言ってそうなんだけど」  主真の指摘に思わず詠士を見やれば、あからさまに含みのある、にんまりとした顔を主真に向けていた。 「詠士、君は……っ」 「いつもこんな感じだろ。食卓だでも囲炉裏でも、外食でも海外でも――一番好きな奴と毎日食事できるんだ。嬉しくて当然だし、楽しめそうなものがあればなんでもやる。良いだろう、主真?」  堂々とそう言ったかと思えば、詠士は食べかけのカルツォーネを皿に置き、わざとらしく私の肩を抱き寄せる。  息子に遠慮するどころか見せつけるのか?! 君のその海外寄りな感覚を、主真に押し付けないでくれ。さすがに呆れて嫌がられる……。  恐る恐る主真に目を戻すと、なぜか慈愛に満ちた眼差しが待っていた。 「詠士叔父さん、本当に楽しそうだね。これから父さんにいっぱい教えてあげてよ。丸くなっていく父さんを見るの、すごく嬉しいから」

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